演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

乳癌手術における注射用アセトアミノフェンを使用した疼痛コントロール

演題番号 : P17-7

[筆頭演者]
山本 滋:1 
[共同演者]
前田 訓子:1、佐藤 陽子:1、坂本 和彦:1、鈴木 伸明:1、武田 茂:1、長島 由紀子:2、久保 秀文:3、永野 浩昭:1

1:山口大学・大学院医学系研究科・消化器・腫瘍外科学、2:独立行政法人国立病院機構関門医療センター、3:独立行政法人地域医療機能推進機構徳山中央病院

 

【はじめに】乳癌の手術当日は、術後出血による創部血腫形成を防ぐためにも、可能な限り手術側上肢の安静が保たれることが望ましい。これまでは疼痛コントロールにNSAIDの内服あるいは座薬を使用していた。しかし内服では、患者は自ら起き上がって内服および飲水しなければならず、また座薬挿入においては、側臥位となる必要があり、安静が保てなかった。近年、世界で最も使用されている解熱鎮痛薬の一つであるアセトアミノフェンの注射剤が開発されたが、乳癌手術術後の使用に関する報告は少数である。
【目的】乳癌術当日の疼痛コントロールに対するアセトアミノフェン注射剤の有用性を検討する。
【対象と方法】乳房切除(全摘)あるいは乳房部分切除手術を受けた乳癌患者28名。手術終了30分前に、手術室でアセトアミノフェン注射剤1000mg投与した。病棟帰室後、初回のアセトアミノフェン注射剤投与4時間以内に、疼痛が自制内でレスキューのための鎮痛薬(NSAID内服あるいは座薬)使用がなかった場合、アセトアミノフェン投与の有効例と定義し、初回投与後4時間目に2回目のアセトアミノフェン注射剤を追加投与した。 一方、初回投与4時間以内にレスキュー鎮痛薬使用した場合、無効例と定義した。検討項目は、有効例では初回のアセトアミノフェン投与後4時間目のNRS(2回目のアセトアミノフェン投与直前)および 2回目のアセトアミノフェン投与後のNRS、無効例ではレスキュー鎮痛薬使用時のNRS、全症例での有害事象の有無とした。
【結果】アセトアミノフェンの投与有効20例(71%)、無効8例(29%)であった。初回投与後4時間目の疼痛は、20例中14例(70%)で軽い痛み(NRS 0-3)あった。2回目のアセトアミノフェン投与後の疼痛は、14例中12例(86%)で、軽い痛み(NRS 0-3)であった。レスキュー使用症例8例中4例では、強い痛み(NRS 7-10)を訴え、全例ボルタレン座薬を使用した。血圧低下、肝障害などの有害事象は認められなかった。
【結語】乳癌手術当日のアセトアミノフェン注射剤の使用は、良好な疼痛コントロールがなされる有用な方法である。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:支持療法

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