演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

Nab-Paclitaxelの末梢神経障害に対する着圧グローブの検討~皮膚組織灌流圧値の比較~

演題番号 : P17-5

[筆頭演者]
加藤 孝子:1 
[共同演者]
横谷 直美:1、古賀 祐季子:2、中村 慶太:2、大久保 雄彦:2

1:医療法人社団東光会戸田中央総合病院・看護部、2:医療法人社団東光会戸田中央総合病院・乳腺外科

 

【はじめに】私たちは、タキサン系抗がん薬による下肢のがん化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)に対する加圧ストッキングの有用性を2012年の第50回本学会学術総会で報告した。しかし、手指のCIPNに対しては有効な対策がないのが現状である。タキサン系抗がん薬であるnab-paclitaxel(nab-PTX)は乳癌に対して有用な薬剤であり、CIPNの発症、悪化は、治療中止の要因となるばかりか、QOLの低下を招来する。露木らは、サージカルグローブ着用によるCIPN予防効果を報告している。そこで私たちは、着圧グローブによる皮膚組織灌流圧値(skin perfusion pressure:SPP)とCIPN発症との関連性を検討したので報告する。
【対象と方法】対象は乳癌術後症例でadjuvant としてnab-PTX 100㎎/㎡第1日目、8日目を3週毎に反復投与で4サイクル投与例。着圧グローブは商品名:寝ながらエステ 着圧グローブを使用。治療開始前に着圧グローブを着用し、その前後のSPP値を測定。着圧グローブは、nab-PTX投与開始後24時間の着用としたが、食事・入浴の時間帯は外しても可とした。CIPNはCTC-AEにて評価した。
【結果】8例全例女性、平均年齢51歳(範囲37~66)、nab-PTX単剤療法7例、nab-PTX+trastuzumab療法1例。nab-PTXは減量などなく規定通りに投与した。着圧グローブ着用前後でSPP値が左右ともに低下は3例であり、adjuvant終了時2例はCIPN Grade(Gr)1、1例はGr2。SSP値が左右ともに上昇は1例でGr0であった。その他の4例は左右でSPP値が上昇、低下と一定の傾向を示さず左右差が認められたが、CIPNのGrには差異が認められなかった。以上のごとく全8例の治療後のCIPNは、Gr0 :1例、Gr1 :5例、Gr2:2例であった。その他、BMIやHbA1cなどのパラメーターと今回のCIPNとの関連性は認められなかった。
【考察】SPPの変化とnab-PTXのCIPNの重篤度には関連性が認められなかった。対象が全例乳癌症例であったことより、術後リンパ浮腫の可能性を考慮して十分な加圧が得られなかった可能性は排除できないと考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:QOL

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