演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

乳癌化学療法(タキサン系)に伴う末梢神経障害及び爪障害に対する四肢冷却法の有効性

演題番号 : P17-3

[筆頭演者]
大澤 みのり:1,2 
[共同演者]
小林 公子:1,2、榎本 克久:3、櫻井 健一:3、三浦 勝浩:2,4

1:日本大学・医学部附属板橋病院・看護部、2:日本大学・医学部附属板橋病院・腫瘍センター、3:日本大学・医学部附属板橋病院・乳腺内分泌外科、4:日本大学・医学部附属板橋病院・血液膠原病内科

 

【背景】乳癌で主に使用するタキサン系の薬剤は末梢神経障害や爪障害の発現頻度が高く症状が不可逆的となる場合もある。先行研究でもDTXの爪障害やNab-PTXの末梢神経障害に対する予防効果が示唆されており当院外来化学療法室でも2010年9月よりエラストゲル®を使用した四肢冷却法を実施している。患者のQOLを低下させず、抗癌剤治療の遂行性を高める為にも有効な支持療法を行う必要がある。
【目的】末梢神経障害及び爪障害に対する四肢冷却法の使用及び発現状況を明らかにし当院の現状と課題を検討する。
【対象・方法】2016年4月~2017年3月まで当院外来化学療法室でタキサン系薬剤を含むレジメンを使用した乳癌患者105名に対し、診療録から四肢冷却法の実施状況及び患者の末梢神経障害・爪障害の発現状況を後方的に調査した。障害の程度はCTCAEver.4.0を用いて評価した。
【結果】対象者105名の年齢中央値は56歳(32-84歳)で使用したレジメンはw-Nab-PTX19%、w-PTX6%、w-PTX+HER5%、Nab-PTX5%、Pertuzumab+HER+PTX4%、DTX+HER2%、Nab-PTX+HER2%、TC2%、CBDCA+HER+DTX1%、Pertuzumab+HER+DTX1%であった。そのうちNAC28%、AJ30%,進行再発42%であり、使用状況は使用44%、未使用39%、症状が出てから使用15%、不明2%で、使用した群(症状出現後から使用を開始した患者を含む)では末梢神経障害Grade(以下G)1 66%、末梢神経障害G2 7%、感覚鈍麻3%、爪障害3%であり未使用の群では末梢神経障害G1 32%、末梢神経障害G2 9%、爪障害7%であった。またNACでは使用52%、未使用14%、AJでは使用78%、未使用13%であったのに対し進行再発症例では使用10%、未使用78%であった。
【考察】四肢冷却法は末梢神経障害・爪障害共に使用した群の方が症状が抑えられており有効であると言える。しかし患者の四肢冷却法使用の有無の選択はレジメンの内容に応じた看護師からの説明が必要であり、経験年数や知識量の差による説明の偏りもあったと考える。また症状の観察や記録内容にもばらつきがあり、患者へ統一した説明が行えるような教育や患者の病期や症状に合わせた説明が必要である。また進行再発症例では末梢神経障害・爪障害以外の症状の訴えが多くPSの差や全身状態を考慮した援助も必要であると考える。
【結語】末梢神経障害及び爪障害に対する四肢冷却法は患者のQOLの低下を防ぐことに寄与できるが、患者の病期・全身状態を考慮して使用の有無を判断していく必要がある。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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