演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

Nab-Paclitaxel /Paclitaxel起因性の末梢神経/皮膚障害に対する冷却法による予防効果

演題番号 : P17-1

[筆頭演者]
櫻井 照久:1 
[共同演者]
鈴間 孝臣:1、吉村 吾郎:2、梅村 定司:3、鈴木 沙知:4、山本 真由:4、櫻井 武雄:5

1:和歌山県立医科大学・附属病院紀北分院・外科、2:市立岸和田市民病院・乳腺科、3:紀和病院、4:和歌山県立医科大学・附属病院紀北分院・看護部、5:さくらい乳腺クリニック

 

【背景】タキサン系薬剤のnab-paclitaxel(nabPTX)ならびにpaclitaxel (PTX)による末梢神経障害の発現頻度は高く、また、頻度は末梢神経障害ほど高くはないが、爪・皮膚障害が知られており、いずれの副作用も出現すると患者の精神的・身体的苦痛の一因となる。しかしながら、これまで有効な治療法や予防法は確立されていない。【目的】nabPTX / PTXによる末梢神経障害ならびに爪・皮膚障害に対する冷却法の予防効果を検討する。【対象】研究協力の同意が得られた21名が対象で、原発乳癌(15人)、再発乳癌(6人)でnabPTX(15人)、PTX (6人)であった。HER2陽性症例にはTrastuzumabを併用した。【方法】患者の希望する片側の手ならびに足をフローズングローブ・ソックスを用いて、nabPTX / PTXの投与中ならびにその前後15分間冷却した。nabPTX / PTXの治療コース開始前(コントロール)、2コース時、4コース時、終了後2か月、終了後6か月において、冷却した片側の手・足(Glove群)と対側の手・足(対照群)を比較した。評価項目は、末梢神経障害の発現率(CTCAE v 4.0)、被験者による末梢神経障害の評価 (PNQ)、継時的な圧力知覚の定量評価(タッチテスト)を用いた(PNQは使用許諾取得)。また、FACT-Taxaneを用い、末梢神経障害の主観的評価であるTaxSの変化、ならびに身体・社会・家族・心理・活動面で構成されるFACT-G の変化を評価した(FACT-Taxaneは使用許諾取得)。爪・皮膚障害については、Glove群と対照群の手・足を比較検討した。【結果】CTCAE、PNQ、タッチテストのいずれの評価においても、Glove群(手)の神経障害は対照群に比較して有意に低下を認めた。また、PNQにおいて、Glove群(足)の神経障害は対照群に比較して有意に低下を認めた。5例で爪・皮膚障害を認めたが、Glove群の爪・皮膚障害は対照群に比較して軽度であった。TaxSは、治療コース開始前に比較し治療中に低下を認めたが、FACT-G に変化はなかった。1名は1クールにて冷却を拒否されたが、冷却による副作用を認めた症例はなかった。【結語】フローズングローブ・ソックスによる冷却法は、nabPTXならびにPTX投与患者において末梢神経障害の発現率を有意に抑制した。また、爪・皮膚障害の発現抑制にも有効であると考えられた。本療法は、nabPTXならびにPTX投与患者に有用な末梢神経障害・皮膚障害の予防方法となりうるものと考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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