演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

エナメル上皮腫の両側肺転移に対する外科切除の1例

演題番号 : P154-5

[筆頭演者]
重松 久之:1 
[共同演者]
藻利 優:1、岡崎 幹生:1、佐野 由文:1

1:愛媛大学・大学院医学系研究科・心臓血管・呼吸器外科

 

【はじめに】エナメル上皮腫は歯原性上皮性腫瘍で,良性腫瘍とされるが局所再発率が高く,まれに遠隔転移も認められる.2005年の WHO 組織分類では,悪性像を呈さず転移するものは転移性エナメル上皮腫とされ,組織学的に悪性像を呈するものはエナメル上皮癌と分類されている.
【症例】40歳代男性で,20年前に下顎骨エナメル上皮腫に対して,下顎骨区域切除と腸骨再建術が施行されていた.2016年8月の会社の検診で胸部異常陰影を指摘された.胸部 CT で,右下葉に 62mm と左上葉に 51mm の腫瘤を認めた.PET検査でも,同部位の FDG 異常集積を認めた.気管支鏡下生検で,転移性エナメル上皮腫と診断された.10月に胸腔鏡下右肺部分切除術,12月に胸腔鏡下左区域切除術を施行した.病理学的には,星芒状の上皮細胞が胞巣状に増殖しており,核異型があるものの高度な細胞異型とまでは判断できず,転移性エナメル上皮腫と診断された.断端は陰性であった.術後4か月経過したが,再発はみられていない.
【考察】歯原性上皮性腫瘍の中で最も頻度の高いエナメル上皮腫は 20-30歳代に多く発生し,良性腫瘍ではあるが局所再発率が高いとされる.2-5% で遠隔転移を認め,その多くは肺である.転移が指摘されるまでの期間は比較的長く(平均10数年),30年以上経過した症例も報告されている.治療に関してはまれな疾患のため確立されたものはないが,効果のある化学療法の報告はなく,放射線療法も報告が少ないためその有用性は不明である.本症例のように完全切除を目指した外科的切除が有効であると考えられる.
【まとめ】初回手術20年後に両側肺転移で再発した転移性エナメル上皮腫の1例を経験した.今後も長期にわたる外来での経過観察が必要と考えられる.

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:手術療法

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