演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

青色LED光は光受容体(opsin3)を介し癌細胞増殖を抑制する

演題番号 : P152-7

[筆頭演者]
和田 佑馬:1 
[共同演者]
森根 裕二:1、吉川 幸造:1、東島 潤:1、西 正暁:1、岩橋 衆一:1、柏原 秀也:1、高須 千絵:1、斎藤 裕:1、石川 大地:1、寺奥 大貴:1、池本 哲也:1、居村 暁:1、島田 光生:1

1:徳島大学・医学部・消化器移植外科

 

【概要】
以前我々は、青色発光ダイオード(LED:light emitting diode) は腺癌細胞、癌幹細胞に対し細胞増殖抑制効果を示すことを報告した。今回、その機序にGタンパク共役型光受容体であるopsin3 (OPN3) の関与が示唆されたため報告する。
【方法】
① ヒト大腸癌細胞(HCT-116、HT-29)を播種し、LED照射装置で青色LED光(465nm)を0.03W、30分照射後、cell counting kit8で生細胞数を評価した。Annexin/PI染色でアポトーシスについて検討し、RT-PCRでmRNA発現を測定した。
② ヒト手術検体を用い、大腸癌におけるOPN3発現を免疫染色により評価した。
③ SiRNAを用いHCT-116、HT-29のOPN3をノックダウンし上記検討を行った。
④ NF023を用いHCT-116、HT-29のGiタンパクを選択的に阻害し同様に検討を行った。
⑤ 無血清浮遊培養条件下でヒト大腸癌細胞(HCT-116)を播種した直後、青色LED光(465nm)を0.03W、30分照射しsphere形成、mRNA発現について検討した。
【結果】
① HCT-116の青色LED光照射群は非照射群と比べ生細胞が明らかに減少した(p<0.01)。また、照射群ではLC3の発現が上昇した。
② ヒト大腸癌手術検体において、癌部でOPN3陽性、非癌部で陰性であった。
③ ④ HCT-116にOPN3が発現していることをPCRで確認し、siRNAによるOPN3ノックダウン群、NF023投与群を作成した。OPN3ノックダウン群、NF023投与群はコントロール群と比較し、青色LED光照射による生細胞数減少が有意に抑制され(p<0.05)、また青色LED光照射によるLC3発現上昇が抑制された。
④ 青色LED光照射群ではsphere形成が阻害された。mRNAではOct4、Nanog、CD44、 EpCAMの発現が抑制されていた。
【考察】
青色LED光は大腸癌細胞(HCT-116)に対してオートファジーを介した増殖抑制効果を持ち、またsphere形成を阻害する作用があることが明らかとなった。さらに、大腸癌細胞に光受容体OPN3が発現しており、青色LEDの癌細胞に対する作用機序にOPN3が関与していることが示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:医療機器・医療工学

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