演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

RAS野生型再発大腸癌に対するCetuximabの単独隔週療法の試み

演題番号 : P152-6

[筆頭演者]
岩本 慈能:1 
[共同演者]
室谷 健太:2、江尻 将之:3、石黒 成治:4、小松 俊一郎:4、佐野 力:4、三嶋 秀行:1,2

1:愛知医科大学・臨床腫瘍センター、2:愛知医科大学・臨床研究支援センター、3:愛知医科大学・薬剤部、4:愛知医科大学・消化器外科

 

〔はじめに〕Cetuximabは、頭頸部扁平上皮癌やRAS野生型の大腸癌において使用されている。用法用量は、初回400mg/m2, 2回目以降 250mg/m2毎週投与である。大腸癌において海外では毎週だけでなく、隔週500mg/m2もガイドラインに記載され使用されている。我々はCapecitabin+Oxaliplatin+Cetuximab隔週投与の臨床試験を国内で実施し報告した(Clin Colorectal Cancer. 2016 Dec;15(4):)。大腸癌死亡年齢の中央値は75才以上と高齢であり、今後人口の高齢化とともに、全身状態が良好でない患者に対して、効果と有害事象だけでなく、薬の費用も考慮した経済的な使用方法の開発が重要なテーマになると考えられる。
〔対象と方法〕2015年9月以降、愛知医科大学病院で測定可能病変のあるRAS野生型再発大腸癌に対してCetuximabを単独隔週で投与した9例について後ろ向きに検討した。投与方法は初回250mg/m2, 2回目以降250mg/m2隔週とした。治療を選択した理由は、高齢1例、QOLの優先2例、PSの低下1例、臓器機能の低下5例であった。性別は男性7例、女性2例。年齢の中央値は70歳(38-80歳)、直腸6例、左側結腸3例であった。1次治療2例、2次治療以降7例であった。標準的な毎週投与方法との薬剤費用比較、治療前と比較して治療後1ヶ月目のCEA低下率および2週目のLDH低下率についても探索的に検討した
〔結果〕治療成功期間(TTF)の中央値は5.05ヵ月(3.3-9.8ヵ月:3例が治療継続中)であった。抗腫瘍効果はPR 2例、NC 6例、PD 1例であった。皮膚毒性はGrade 1 6例, Grade2 3例, 低マグネシウム血症はGrade2 2例, Grade2以上の消化器毒性はなかった。CEA, LDHが治療開始後1ヶ月以内に10%以上低下した症例は9例中7例であった。Cetuximabの薬剤投与量と薬剤費用(100mg 36920円)は、体表面積1.7m2として、標準的な毎週投与法では1ヶ月間2000mg (初回月2200mg), 738,400円、経済的隔週投与法では1000mg, 369,200円であった。
〔考察〕RAS野生型再発大腸癌に対するCetuximab単独隔週療法は、標準的な毎週治療法と比較して1か月あたりの費用が約半分と経済的である。消化器症状や重篤な皮膚関連の有害事象が少なく、TTFも許容範囲内と考えられ、今後経済的な視点から検討すべき治療選択肢の候補である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:分子標的治療

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