演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

他臓器浸潤直腸癌に対する術前化学放射線療法の有用性

演題番号 : P152-4

[筆頭演者]
唐澤 秀明:1 
[共同演者]
大沼 忍:1、渡辺 和宏:1、鈴木 秀幸:1、井本 博文:1、青木 豪:1、工藤 克昌:1、田中 直樹:1、長尾 宗紀:1、武者 宏昭:1、元井 冬彦:1、内藤 剛:1、海野 倫明:1

1:東北大学・消化器外科学

 

【はじめに】直腸癌は、しばしば骨盤内臓器に浸潤し、他臓器合併切除を余儀なくされる。合併切除に伴うQOLの低下が生じる一方、R0切除が可能であれば、予後は比較的良好と考えられ、根治性と機能温存の両面から、治療方針・術式を検討する必要がある。近年本邦でも下部直腸癌に対する術前化学放射線療法が普及してきたが、他臓器浸潤癌におけるその有用性は明らかではない。
【方法】2013年以降に他臓器浸潤を疑う直腸癌に対して術前化学放射線療法(NACRT)後に根治術を施行した7例を後方視的に検討した。
【結果】治療前に浸潤を疑った臓器は膀胱・前立腺・膣・子宮がそれぞれ3例・2例・1例・1例であった。3例で人工肛門造設を先行させ、NACRT(TS-1併用小骨盤照射45Gy/25Fr)を施行した。全例術前治療を完遂出来ていた。NACRT後の効果判定において3例は浸潤無と判断したため、直腸切断術を施行した。同3例は組織学的にもT3以下であり、合併切除を回避しつつR0切除が施行出来ていた。他の4例に対してはNACRT後も浸潤が疑われたため、骨盤内臓全摘術:2例、後方骨盤内臓全摘術:1例、直腸切断術・前立腺合併切除:1例を行った。同4例中3例は組織学的にも他臓器浸潤を認め、ypT3であった1例もviableな癌細胞は前立腺内に観察されないものの、前立腺後方神経組織への浸潤・前立腺組織内への線維化の浸潤が認められ、NACRT前は前立腺浸潤を認めていたと考えられた。本症例は前立腺を温存してのR0切除は不可能であったと考える。組織学的効果判定はGrade 1a:1例、Grade 1b:2例、Grade 2:3例、Grade 3:1例であった。最終診断はypStage I:2例, ypStage II:4例, ypStage IIIa:1例で全例にR0切除が施行出来ていた。術後観察期間が短い症例も含まれるが、全例無再発生存中である(術後観察期間:2-50ヶ月)。
【結語】NACRTは局所制御に優れ、NACRTを行う事で正確に他臓器浸潤の有無を判断出来、適切な術式選択に寄与する可能性がある。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:集学的治療

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