演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

術前化学療法後に切除した局所進行大腸癌の検討

演題番号 : P152-3

[筆頭演者]
横溝 肇:1 
[共同演者]
矢野 有紀:1、岡山 幸代:1、山田 泰史:1、碓井 健文:1、山口 健太郎:1、塩澤 俊一:1、吉松 和彦:1、島川 武:1、勝部 隆男:1、加藤 博之:2、成高 義彦:1

1:東京女子医科大学・東医療センター・外科、2:東京女子医科大学・東医療センター・検査科

 

【目的】化学療法後に切除した局所進行大腸癌に対する治療成績を検討し,大腸癌に対する術前化学療法の効果ならびに問題点を明らかにすることを目的とした.
【対象・方法】対象は2008年から2015年までに当科で化学療法後に治癒切除した臨床的に遠隔転移のない局所進行大腸癌症例22例を対象とした.まず,対象例の化学療法の内容,効果を検討し,次いで化学療法が手術に与える影響をみるために周術期の状況を検討,最後に予後についてみた.
【結果】対象例の背景因子は,年齢中央値が62.5歳 (30-78),男性14例,女性8例,占居部位はcolon 8例,rectum 12例で,化学療法はFOLFOX療法が21例で,うち6例は抗VEGF抗体薬を,10例は抗EGFR抗体薬を上乗せし,FOLFIRI+抗EGFR抗体薬が1例であった.臨床的効果はPD 1例,SD 5例,PR 16例,CR 0例で奏効率は72.7%,組織学的効果はGrade 0が2例,1aが13例,1bが3例,2が3例,3が1例であった.手術についてみると,隣接臓器合併切除例が16例あったが病理検索で隣接臓器浸潤がみられたのは10例であった.術後Grade II以上の合併症が10例(45.5%)にみられ,そのうち縫合不全は3例でいずれも抗VEGF抗体薬使用例であった.術後の補助化学療法は16例に行われ,l-OHP投与例は11例,その他(5-FU/LVなど)5例であった.再発は11例 (肺,腹膜,リンパ節が各1例,肝が2例,局所が6例) に認め,5例の局所再発例では治癒切除が可能であったが,うち3例は術前化学療法前に浸潤が疑われた部位の再発であった.3年無再発生存率は52.5%,生存率は84.4%であった.術前治療後のT因子,N因子別では予後に有意差はなく,術前化学療法に分子標的薬の上乗せの有無では予後に差はなかったが,術後の補助療法別では補助化学療を行った例が再発率,無再発生存率,生存率とも良好であった.奏功の有無と予後に差はなかったが,組織学的効果別ではGrade 1a以下に比べGrade 1b以上の例の再発率は低く,無再発生存率は良好で生存率は良い傾向であった.
【結語】化学療法後に切除した局所進行大腸癌に対する臨床的奏効率は72.7%も,臨床的効果と組織学的効果には乖離があった.抗VEGF抗体薬使用例で縫合不全を合併し,3例に術前化学療法前に浸潤が疑われた部位への再発を認め,今後の課題と考えられた.術前化学療法別では予後に差はみられなかったが,組織学的効果は予後を反映し,術後補助化学療法は予後を改善する可能性が考えられた.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:集学的治療

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