演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

大腸癌のオキサリプラチン併用補助化学療法における腎機能と毒性の関連

演題番号 : P151-5

[筆頭演者]
槙原 克也:1 
[共同演者]
寺沢 匡史:1、内山 ひとみ:1、重岡 靖:2、豊川 晃弘:3

1:宗教法人在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院・薬剤部、2:宗教法人在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院・腫瘍内科、3:宗教法人在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院・外科

 

【背景・目的】
オキサリプラチン(L-OHP)のクリアランスはCcrと相関することが知られているが、これまでL-OHPの毒性と腎機能の関連を明確にした報告はない。一方、がん薬物療法時の腎障害診療ガイドラインでは体表面積あたりで用量が定められている薬剤では体表面積補正(1.73m2あたり)を行ったCcrあるいはeGFRを用いることが合理的であると推奨されている。そこで、我々は体表面積補正を行ったCcr(mL/min/1.73m2)とL-OHP併用化学療法の毒性についての関連性を評価した。

【方法】
2013年1月から2016年12月に淀川キリスト教病院において結腸・直腸癌の術後補助化学療法としてL-OHPを使用した患者のうち、初回よりL-OHPを減量した患者を除く40例を対象に後方視的に調査した。Grade3以上の好中球・血小板減少、Grade2以上の末梢神経障害、末梢神経障害を含むGrade3以上の非血液毒性の発現の有無でCcr(mL/min/1.73m2)を比較し、関連性が認められた毒性発現のCcrのcut-off値をROC解析により探索した。

【結果】
Grade3以上の好中球減少および血小板減少、Grade2以上の末梢神経障害とCcrとの有意な関連性はいずれのレジメンでも見られなかった。一方、非血液毒性ではGrade3-4を発現した患者の方がGrade0-2の患者よりも有意にCcrが低く(60.5 対 90.4 mL/min/1.73m2, p=0.02)、CapeOXでもFOLFOXでも同様の傾向であった。また、Grade3-4の非血液毒性を発現するCcrのcut-off値は60.5 mL/min/1.73m2であり、Ccr>60.5 mL/min/1.73m2ではRDI中央値83.6%であるのに対し、Ccr≦60.5 mL/min/1.73m2ではRDI中央値54.5%と有意に低かった(p=0.005)。

【考察】
L-OHP併用化学療法における腎機能と血液毒性の関連性は見られなかったが、Ccr≦60.5 mL/min/1.73m2では消化器症状や皮膚症状などの非血液毒性が明らかに高くなることが示唆された。これまでカペシタビンの毒性と腎機能の関連を示唆する報告もあるが、本研究においてはFOLFOXでもGrade3の皮膚毒性を認めたため、体表面積補正を行ったCcr はL-OHPによる非血液毒性の発現およびRDIの低下を予測する上で重要であることが明らかとなった。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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