演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

当院における婦人科がん術後下肢リンパ浮腫ケアの現状

演題番号 : P149-2

[筆頭演者]
山田 隆:1,2 
[共同演者]
寺田 展子:1,2、三幣 百合愛:1,2、庄田 有里:1,2、三浦 愛:1,2、杉田 洋佑:1,2、大和田 桃子:1,2、中西 一歩:1,2、西方 紀子:1,2、松橋 智彦:1,2、石川 源:1,2、鴨井 青龍:1,2、竹下 俊行:1

1:日本医科大学・産婦人科、2:日本医科大学・千葉北総病院・女性診療科・産科

 

【目的】
婦人科がん治療において,後腹膜リンパ節郭清術は必要不可欠な術式だが,それにより発症する下肢リンパ浮腫は,避けられない重篤な合併症の一つである.がん患者の治療後の大きな悩みの一つにもかかわらず,リンパ浮腫を専門で扱う医療施設は未だ少なく,患者自身でケアせざるを得ない状況も少なくない.当院では2011年から院内がん術後患者を中心に,術後早期からのリンパ浮腫ケア介入を始め,2013年からリンパ浮腫専門医によるリンパ浮腫外来を開設した.今回,当院における婦人科がん術後患者の下肢リンパ浮腫ケアの現状を報告する.
【方法】
2010年から2015年の間,当院で後腹膜リンパ節郭清術を施行した婦人科がん患者を対象に,術後下肢リンパ浮腫の発症リスクと術後ケア早期介入の影響を後方視的に検討した.リンパ浮腫の診断はVodder式リンパ浮腫セラピストの資格を持つ婦人科腫瘍専門医が行い,今回はISL分類Ⅱ期以上をリンパ浮腫発症例として検討した.術後ケア早期介入内容として,ISL分類0期からⅠ期に対しては主にリンパ浮腫教育と生活指導・スキンケアを中心に,ISL分類Ⅱ期以上で積極的に圧迫療法やリンパドレナージを追加した.
【成績】
対象患者は186例で,そのうち子宮頸癌,子宮体癌,卵巣癌はそれぞれ28.0%,47.3%, 24.7%を占めていた.リンパ浮腫進行期は,ISL分類で0期からⅠ期88.2%,Ⅱ期早期10.2%,Ⅱ期後期1.6%,Ⅲ期0%で,術後下肢リンパ浮腫発症率は全体で11.8%であった.術後下肢リンパ浮腫発症リスクを,年齢,BMI,疾患,進行期,リンパ節転移,傍大動脈リンパ節郭清,骨盤内リンパ嚢胞,感染性リンパ嚢胞,手術手技(鼠径上リンパ節切断端のリンパ管処理)で検討したが,いずれも有意差は認められなかった.術後早期からのリンパ浮腫ケア介入の影響を,年度別の術後発症率で検討したところ,介入前の2010年は23.4%に対して,セラピストによる介入を開始した2011年には10.5%,医師によるリンパ浮腫外来を開始した2013年には6.5%で,術後下肢リンパ浮腫発症率の有意な低下を認めた(OR 2.939,P = 0.022).
【結論】
術後早期からの適切なリンパ浮腫ケア介入が,婦人科がん術後の下肢リンパ浮腫発症率を有意に低下させた.術後リンパ浮腫の予防には,がんサバイバーへの十分な指導と教育が重要と考えられた.

キーワード

臓器別:その他

手法別:リハビリテーション

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