演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

婦人科がん治療後の下肢リンパ浮腫と排尿困難に関する治療内容別頻度と、QOLへの影響

演題番号 : P149-1

[筆頭演者]
加藤 友康:1 
[共同演者]
富田 眞紀子:2、池田 俊一:1、石川 光也:1、宇津木 久仁子:3、宮城 悦子:4、鈴木 幸雄:4、米山 剛一:5、黒木 睦実:5、酒井 瞳:6、勝俣 範之:7、小熊 祐子:8、高橋 都:2

1:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院・婦人腫瘍科、2:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター・がんサバイバーシップ支援部、3:公益財団法人がん研究会有明病院・婦人科、4:横浜市立大学・附属病院・産婦人科、5:日本医科大学・武蔵小杉病院・女性診療科・産科、6:近畿大学・医学部・内科学教室腫瘍内科部門、7:日本医科大学・武蔵小杉病院・腫瘍内科、8:慶應義塾大学・スポーツ医学研究センター

 

目的
婦人科がん治療後の2大有害事象である下肢リンパ浮腫と排尿困難について、①治療との関連を明らかにすること、②それぞれの症状がQOLに及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。

方法
平成27年2月~平成28年1月に、関東地区4病院婦人科外来を受診した20歳以上の卵巣がん・子宮頸がん・子宮体がん治療後の患者(再発は除く)を対象とし、外来で調査票を配布し、郵送で回収した。個人属性(年齢、身長、体重)、臨床的背景(術式、リンパ節郭清の有無と範囲、放射線治療の有無)、下肢リンパ浮腫の程度(5段階)、排尿困難度(UDI-6)、QOL関連項目(健康関連QOL(SF8)、抑うつ(K6)、倦怠感(Cancer Fatigue Scale))などを質問した。

結果
調査票配布数454名、有効回答数385名(84.8%)。平均年齢56.5歳(SD=11.9)、治療終了から調査時までの期間(中央値)は37.5ヶ月であった。下肢リンパ浮腫の程度は、「放射線治療とリンパ節郭清の範囲」で違いがみられ(F(4,349)=7.158, p<.001)、「リンパ節郭清なし」群より「骨盤のみリンパ節郭清」群、「骨盤+傍大動脈リンパ節郭清」群の下肢リンパ浮腫が強く、「骨盤のみリンパ節郭清」群より「骨盤のみリンパ節郭清+術後照射」群の下肢リンパ浮腫が強かった(p<.05)。リンパ浮腫あり群は、身体的・認知的倦怠感が高かった(p<.05)。排尿困難度は「術式の違いと放射線治療の有無」で違いが見られ(F(4,358)=6.182, p<.001)、「単純子宮全摘」群より「広汎子宮全摘」群、「広汎子宮全摘+術後照射」群、「根治的照射」群の排尿困難度が高かった(p<.05)。排尿困難が高い群は、高BMI、高年齢であり、身体的・精神的・認知的倦怠感および抑うつ度が高く、身体的QOL得点が低かった (p<.05)。リンパ浮腫の程度と排尿困難度には有意な関連が認められた(p<.05)。

考察
下肢リンパ浮腫と治療との関連について、患者の自記式質問紙調査を用いて検討した結果、従来の医師による他覚的診断と同様の傾向が得られた。排尿困難度については根治的照射後の場合に、広汎子宮全摘後と同様の高いスコアが示され、原因として放射線治療による膀胱線維化が考えられた。下肢リンパ浮腫および排尿困難の程度が強い患者はQOLの有意な低下が認められ、これら有害事象の予防軽減策が望まれる。

※本研究は、国立がん研究センターがん研究開発費(H25-A-18)の助成を受けた。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:QOL

前へ戻る