演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

胸膜生検にて速やかに病理診断を得た切除不能悪性胸膜中皮腫の1例

演題番号 : P146-6

[筆頭演者]
松田 英祐:1 
[共同演者]
末久 弘:1、宮本 章仁:1、大西 哲平:1、佐伯 隆人:1、井口 利仁:1、藤澤 憲司:1、松野 剛:1

1:社会福祉法人恩賜財団済生会今治病院・外科

 

悪性胸膜中皮腫は確定診断を得ることが困難なことがあり, また予後不良な疾患である. 速やかに診断を確定し適切な治療を行うことが重要である. 切除不能症例の予後は切除可能例に比べてさらに不良であるが, 今回, 受診から速やかに診断を確定し切除不能ではあったが化学療法を施行し1年以上良好に経過している悪性胸膜中皮腫の1例を経験した.
症例. 74歳男性. 主訴:右胸水貯留. 近医にて高血圧加療中であった. 2015年10月, 右胸水を指摘され12月に当院へ紹介となった. 胸部造影CTでおもに上縦隔近傍の胸膜肥厚を認め, 胸膜中皮腫の鑑別を要する所見であった. 職業歴からアスベスト暴露も疑われたため迅速に診断する必要があると考えた. 当院受診から5日後に全身麻酔下に胸膜生検術を行い, 上皮型悪性胸膜中皮腫と診断した. C-T1bN0M0 stage IBと考え, 心肺機能やPSも良好なことから切除可能と判断し手術を行ったが, 術中所見で上大静脈への浸潤を認め切除を断念した. 2016年3月よりCDDP+PEMによる化学療法を開始し, 6コースを行った. 化学療法中に心不全発症し加療を要したが, 治療開始後13か月現在, CTで緩徐に腫瘍は増大したものの外来にて経過観察中である.
悪性胸膜中皮腫は, 診断が困難なことが多く, 病理診断のためには胸膜生検を行い, また深部脂肪組織を含めた十分な検体を採取することが推奨されている. また, 中皮腫は進行が早いため,診断の正確性と迅速性が要求される.
当院では, 片側の胸水貯留を認め, 胸水穿刺で確定診断が得られない場合には原則として胸膜生検を行うように患者に勧めている. 本症例でも速やかに胸膜生検を行い, 初診から1か月以内に病理診断を得た. 切除することはできなかったが, 化学療法を行い, 1年後の現在, PS良好に経過している.
悪性胸膜中皮腫は診断が困難で, 予後不良な疾患である. 迅速に診断し, 早期に治療を開始することで予後が改善する可能性がある.

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:診断

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