演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

切除可能大腸癌肝転移に対する術前化学療法の有効性と安全性の検討

演題番号 : P138-3

[筆頭演者]
久松 雄一:1 
[共同演者]
王 歓林:1、田中 慎一:1、吉田 月久:1、宮崎 充啓:1、福田 篤志:1、山懸 基維:1、園田 孝志:1

1:社会福祉法人恩賜財団済生会唐津病院・外科

 

はじめに】切除可能な大腸癌肝転移に対する術前補助化学療法の目的には、微小転移巣の早期治療や化学療法の奏効性判定が挙げられる。しかし大腸癌ガイドラインにおいて、この術前補助化学療法は有効性と安全性が確立されていない。その理由として非奏効例が切除不能となるリスクや周術期合併症の問題がある。【目的】切除可能な大腸癌肝転移に対する術前化学療法の有効性と安全性を明らかにする。【対象】2009~2015年の間で当科にて、切除可能な大腸癌肝転移に対して術前化学療法後に肝切除を施行した7例。【方法】①患者背景、②化学療法のレジメンと奏効性、③肝切除の術式、手術時間および出血量、④転帰と予後についてretrospectiveに検討した。【結果】手術時平均年齢は65.9歳、性別は男性:女性=6:1、原発巣は結腸:直腸=5:2。肝転移は同時性:異時性=4:3、個数の平均は2.3個であり、H1:H2=4:3であった。術前化学療法の理由は、腫瘍縮小の期待3例、奏効性の確認2例、手術拒否2例であった。術前化学療法のレジメンはBevacizumab+FOLFOX 4例、Panitumumab+FOLFIRI 2例、投与サイクルは3コース以下 4例、7コース 3例であった。CTによる初回の治療効果判定は平均50.0日に行われ、術前効果判定はPR:SD=5:2であった。術前のChild分類はすべてAであった。肝切除は部分:葉:区域=3:2:2であり、手術時間の平均は295.9分、出血量は<1L:1≦=5:2(原発巣同時切除3例込)。合併症は腸閉塞1例、SSI1例、なし5例であった。入院期間は<2週:2週≦=5:2あった。術後観察期間の平均は32.8ヶ月であり、3例に再発を認め、そのうち2例は前記のSD症例であった。肝切除からの生存率は2年:85.7%、3年:57.1%であった。【まとめ】切除可能な大腸癌肝転移に対する術前化学療法は、切除可能な状態を維持でき、肝切除による合併症は許容できた。また化学療法の奏効性が確認でき、奏効しなかった2例は肝切除後に再発した。【結語】切除可能な大腸癌肝転移に対する術前補助化学療法は有効で安全な治療戦略の一つと考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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