演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

標準化学療法不応大腸癌への高用量ベバシズマブ投与の有効性:当院での後ろ向き検討

演題番号 : P137-7

[筆頭演者]
神宝 隆行:1 
[共同演者]
吉田 俊太郎:2、石橋 嶺:1、太田 弓子:1、成田 明子:2、吉川 剛史:1、平田 喜裕:1、小池 和彦:1

1:東京大学・医学部附属病院・消化器内科、2:東京大学・医学部附属病院・光学医療診療部

 

背景:
切除不能大腸癌(mCRC)の標準化学療法としてフッ化ピリミジン系薬、オキサリプラチン、イリノテカン、ベバシズマブ(Bev)、抗EGFR薬(RAS野生型の場合)を使用後も腫瘍増悪を認める症例やこれら薬剤に不耐の症例では、レゴラフェニブ(Reg)やTAS-102(TAS)によるサルベージ化学療法が施行され。しかし予後改善効果は限定的で治療に伴う有害事象も無視できない。一方、Bevを含む一次化学療法で増悪したmCRCに対し二次化学療法でもBevを使用することの予後改善効果が知られ、Bevの効果は用量依存的との報告もある。新たなサルベージ化学療法として高用量Bev+フルオロウラシル・ロイコボリン(sLV5FU2)を施行し、有効性・安全性をRegと後ろ向きに比較検討した。
方法:
当院を含む5施設で2013~2017年にフッ化ピリミジン系薬、オキサリプラチン、イリノテカン、Bev、抗EGFR薬を用いた化学療法に不応または不耐となり上記いずれかのサルベージ化学療法を導入された症例を検討した。高用量Bev+sLV5FU2はBev 10mg/kg、LV 200mg/m2、ボーラス5-FU 400mg/m2、46時間持続5-FU 2400mg/m2を順に投与した。
結果:
サルベージ化学療法の最初のレジメンとして高用量Bev+sLV5FU2を導入されたのが17名(高用量Bev群)、Regが24名(Reg群)であった。患者背景は高用量Bev群で左側大腸癌の割合が高かった以外は、両群間で有意差を認めなかった。OS期間中央値は高用量Bev群で9.1ヶ月、Reg群で9.5ヶ月で有意差を認めなかった。無増悪生存(PFS)期間中央値は高用量Bev群で4.0ヶ月、Reg群で1.6ヶ月で、高用量Bev群が優位に長かった(p=0.015)。Grade 3以上の有害事象として、高用量Bev群で好中球減少12%、白血球減少6%、トランスアミナーゼ上昇6%、下痢12%、イレウス18%、Reg群で好中球減少4%、高ビリルビン血症8%、トランスアミナーゼ上昇8%、手足症候群33%、肝性脳症8%、倦怠感4%、高血圧21%、下痢4%、発疹8%、口内炎4%、蛋白尿4%、急性膵炎4%を認めた。導入から8週以内に減量・中断・終了された患者は高用量Bev群で35%で最多原因は下痢、Reg群で71%で最多原因は手足症候群であった。治療終了後に別の化学療法を施行することができた症例は、高用量Bev群で88%(最多レジメンはReg)、Reg群で54%(最多レジメンはTAS)であった。
結論:
高用量BEV+sLV5FU2療法はmCRCのサルベージ化学療法として良好な有効性と安全性を示し、治療選択肢の一つとなり得る。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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