演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

緩和手術を施行した閉塞性右側大腸癌の予後の検討

演題番号 : P137-5

[筆頭演者]
大谷 聡:1 
[共同演者]
松井田 元:1、斎藤 敬弘:1、土屋 貴男:1、伊東 藤男:1、三浦 純一:1

1:公立岩瀬病院・外科

 

【はじめに】腸管閉塞症状を有する大腸癌において,高齢,Performance Status(以下PS)不良,重篤な併存疾患の存在など全身状態不良の場合や原発巣の周囲浸潤が高度で姑息切除不能と判断された場合,原発巣切除を回避しバイパス手術や人工肛門造設術などの緩和手術を施行する場合がある.近年,右側大腸癌は左側と比較し予後不良との報告が増加しており,当科においても同様の傾向を認める.今回われわれは緩和手術を施行した右側大腸癌の予後を明らかにするため左側大腸癌と比較し検討を行った.
【対象】2014年4月から2017年3月までに原発巣非切除の緩和手術が施行された閉塞性大腸癌症例14例を対象とし後方視的に検討を行った.臨床病理学的因子の比較はMann-WhitneyのU検定、χ二乗検定, 生存率はKaplan-Meier法を用いて求め, 生存期間の比較はlog-rank検定を用いて検討した.
【結果】まず,患者背景の検討を行った.右側結腸は5例で全例バイパス手術、左側結腸は9例で全例人工肛門造設術が施行されていた.両群において全身化学療法が施行された症例は認めず,全例が中分化~高分化型腺癌であった.性別, 年齢,PS, 臨床病期,腫瘍マーカー値,好中球リンパ球比,modified Glasgow prognostic score, 緊急手術の有無において両群間に明らかな差を認めなかった.続いて術後アウトカムの検討を行った.Clavien-Dindo分類Grade3以上の合併症は右側結腸癌において1例認めた(創哆開, Grade 3b).術後生存期間の検討では右側結腸の生存期間中央値は59日,左側結腸は259日であり右側結腸は有意に短期であった (p=0.001).また,術後経口摂取可能期間/術後生存期間を経口率と定義すると,右側結腸の経口率の中央値は56%,左側結腸は96%であり,右側結腸が有意に低かった (p=0.030).
【結論】閉塞性左側大腸癌に対する人工肛門造設術の予後は著しく不良とは言えず, 術後QOLを保つ観点から選択肢として妥当であると考えられた一方, 右側大腸癌に対するバイパス手術の予後は不良であり, ステント留置や酢酸オクトレオチド投与などの治療法も選択肢として検討するべきと考えられた

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:緩和医療

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