演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

当院における切除不能閉塞大腸癌に対し大腸ステント留置下での抗EGFR抗体薬の使用経験

演題番号 : P137-4

[筆頭演者]
太宰 昌佳:1 
[共同演者]
江上 太基:1、鈴木 茉理奈:1、宮本 大輔:1、小野寺 学:1、吉井 新二:1

1:NTT東日本札幌病院・消化器内科

 

【背景・目的】閉塞性大腸癌に対し大腸ステント治療が普及しているが、ステント留置下において抗EGFR抗体薬を用いた治療の報告は少ない。当院における切除不能閉塞性大腸癌に対し、ステント留置下での抗EGFR抗体薬の有効性と安全性について検討した。
【対象と方法】2013年4月から2016年12月まで当院において経験した切除不能進行大腸癌狭窄症例に対し、ステント留置下に抗EGFR抗体薬による化学療法を導入した5例について後方視的に検討した。年齢中央値69歳(56-77歳)、男/女 3/2、原発部位 横行結腸/下行結腸/S状結腸/直腸 1/1/1/2例、腹膜播種あり/なし 1/4、ステント Wall Flex/Niti-S 1/4、化学療法施行後原発巣切除あり/なし 2/3。全症例KRAS wild (RAS wild 2例)であり、化学療法はいずれも1次治療として抗EGFR抗体薬を用い、投与した薬剤は5-Fu/L-OHP/CPT-11/Cmab/Pmab 4/4/0/2/3例であった。ステント留置後の生存期間中央値は655日(150-760日)、ステント留置下に抗EGFR抗体薬による化学療法を継続した期間は、中央値125日(52-349日)であった。ステント関連有害事象として逸脱を1例に認め、閉塞や穿孔は認めなかった。1例ステント留置下に化学療法開始後、速やかに病勢制御が可能であり、原発巣切除を追加することで化学療法の継続に寄与した症例を経験した。症例50歳台男性、 S状結腸癌狭窄にステント留置(Niti-S)を施行。生検では中分化型腺癌(tub2)であった。著明な多発肝転移を認め、採血ではLDH 4165 U/L、CEA 929ng/mLと高値であったため、早急な化学療法導入が必要と判断し留置後7日目よりmFOLFOX6療法を開始、2コース目よりCetuximab(Cmab)を併用した。2コース施行後に病変の著明な縮小を認めたため、化学療法の継続性を考慮し原発巣切除を施行した(留置後52日目)。術後もmFOLFOX6+Cmab療法を継続可能、現在は2次治療としてIRIS+bevacizumab療法を継続している。
【考察・結語】大腸ステント留置下における化学療法の適応は慎重を要するが、早急な化学療法導入が望まれる症例に対して選択肢の1つと思われる。留置後の通過性を確認したうえで、抗EGFR抗体薬を用いた化学療法は比較的安全に施行可能と思われた。しかしながら同薬剤に特徴的な腫瘍縮小効果による閉塞や穿孔のリスクを考慮し、可能であれば適切なタイミングで原発巣切除を検討することで、集学的治療による化学療法の継続や予後延長に寄与できるものと思われた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:内視鏡治療

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