演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

緩和治療目的での大腸ステント留置症例の検討

演題番号 : P137-3

[筆頭演者]
中島 晋:1 
[共同演者]
芝本 純:1、高島 祐助:1、平本 秀一:1、越智 史明:1、辻浦 誠浩:1、藤山 准真:1、増山 守:1

1:社会福祉法人恩賜財団済生会滋賀県病院・外科

 

【はじめに】従来、悪性腫瘍非治癒症例による大腸閉塞に対しては姑息的に人工肛門造設を行われることが多かったが、終末期患者にとっての人工肛門管理はその後のQOLを大きく低下させる要因となり得る。2012年より本邦に導入された大腸ステント留置は非治癒症例に対する緩和治療として人工肛門造設を回避できる新たな治療選択肢としてその有用性が期待される。今回我々は、当院における緩和治療目的での大腸ステント留置症例についてその治療成績を検討した。【対象】2014年1月から2016年12月までに大腸悪性狭窄に対する緩和治療として当院で大腸ステント留置術を施行した18例。【結果】患者の内訳は男性9例、女性9例、平均年齢79 (42-94) 歳であった。原疾患は大腸癌8例、膵癌3例、胃癌2例、胆嚢癌2例、胆管癌1例、卵巣癌1例、原発不明癌1例で、全例が肝転移や腹膜播種も伴う高度の担癌状態であった。また、人工肛門造設を行った場合にその管理が特に困難と考えられる併存症として認知症3例や精神遅滞1例も含まれていた。留置ステントは全例でNiti-S大腸用ステントを使用した。ステント留置の手技的成功率は100%で、留置前後のCROSSは1.2±0.3から2.9±0.3へと有意に改善した。全身状態不良であった2例とステント留置後に穿孔を認めた1例を除く15例では平均2.2日で経口摂取を再開し、その後緩和ケアへと移行することが可能であった。ステント関連合併症は穿孔を1例、逸脱を1例に認めた。死亡まで追跡し得た14例の最長生存期間は354日で、ステント留置期間の中央値は55.5日であった。【考察】大腸ステントはBridge to surgery(BTS)目的での留置に関しては長期予後が不明であることからその適応について議論がなされ今後の検討が待たれるが、緩和治療目的での留置は人工肛門造設を含む姑息的な手術を回避できる手段として有効であり、終末期患者のQOL向上が期待できる点で特に良い適応であった。一方で、終末期患者は全身状態が不良であることが多く、ステント留置の際には細心の注意を払い偶発症を見過ごさないことが重要であると考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:緩和医療

前へ戻る