演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

閉塞性大腸癌に対する金属ステント留置術の初期臨床成績

演題番号 : P137-1

[筆頭演者]
豊田 暢彦:1 
[共同演者]
服部 晋司:1、三浦 義夫:1、塩田 摂成:1

1:日本赤十字社益田赤十字病院・外科

 

【背景と目的】閉塞性大腸癌は全大腸癌の3.1~15.8%とされており、稀な病態ではない。従来大腸癌イレウスは緊急手術の適応であるが、金属ステント( Self-Expandable Metallic Stent:以下、SEMS)留置術を行うことで、経肛門的減圧ができ、待機手術が可能となる。今回、2015年10月より開始した当院での閉塞性大腸癌に対するSEMS留置術の初期臨床成績を報告する。
【対象と方法】2015年10月より2017年3月までにSEMS留置を試みた大腸癌イレウス18例を対象とした。年齢は67歳から91歳(平均74.8歳)で、性別は男性12例、女性6例であった。閉塞部位はS状結腸8例、直腸(Rs)、横行結腸がそれぞれ4例、回盲部、上行結腸がそれぞれ1例であった。留置成功率、臨床有効率、手術までの期間、合併症を検討した。なお、当院でのSEMS留置は、大腸ステント安全手技研究会で示されているガイドラインに準拠し、熟練した消化器内科医が行っている。使用ステントはNiti-S Enteral colonic Stentのステント径22mm、長さ60mmまたは80mmを腫瘍の長径に応じて選択している。
【成績】SEMS留置成功率は回盲部の1例のみが留置困難で92.3%(17/18)と高率であり、臨床有効率は留置症例では全例閉塞の改善がみられ100%(17/17)であった。SEMS留置後の内視鏡検査は18例中8例(50%)に行い、1例に手術適応となる病変を認めた。SEMS留置から手術までの期間は4日から28日で平均13.5日であった。手術は腹腔鏡補助下手術10例、開腹術5例で、3例は高齢および基礎疾患を理由緩和ケア目的の留置で手術は行わなかった。全例に留置期間中の穿孔・逸脱などの合併症は認めなかった。
【症例】64歳男性(No9)。便秘を主訴に近位を受診しS状結腸癌と診断された。内視鏡は通過せず、腹部CTにて横行結腸にも腫瘍性病変が示唆されSEMSを留置した。その後内視鏡検査を施行し横行結腸および上行結腸にも進行癌を認め、3重複進行大腸癌と診断された。手術は腹腔鏡補助下に結腸右半切除術およびS状結腸切除術を施行した。病理組織学的検査にてS状結腸癌はpN2であり、術後補助化学療法を6か月施行し現在無再発生存中である。
【考察および結語】閉塞性大腸癌に対して、SEMSは成功率も高く、患者のQOLも改善させ有用な減圧処置である。今後はSEMS留置後の手術症例とストーマ造設後手術症例の予後の比較検討や、SEMS留置による病理組織学的変化の検討も行っていきたい。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:局所療法

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