演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

T4食道癌における治療戦略 化学療法と化学放射線療法の比較

演題番号 : P126-6

[筆頭演者]
石田 洋樹:1 
[共同演者]
川久保 博文:1、真柳 修平:1、福田 和正:1、中村 理恵子:1、須田 康一:1、和田 則仁:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学・医学部・一般・消化器外科

 

【背景】近年,他臓器浸潤を伴う高度進行食道癌に対して化学放射線療法,化学療法など積極的な治療が試みられ良好な成績をおさめている.今回,当院でのT4食道癌に対して,治療方法や治療成績について検討した.
【方法】2012年から2016年にT4/M0食道癌に対して治療した42例について,根治的化学放射線療法を施行した群(CRT群:FP-RTx)(20例,48%),3剤併用化学療法(CT群:DTX+CDDP+5-FU)(22例,52%)の2群に分け,臨床病理学的因子,治療効果,予後等を比較検討した.
【結果】全症例の年齢中央値は67.5歳(47-85歳),男性34例(81%),女性8例(19%)であった.T4a/T4bは4例/38例であった.T4b因子として,気管・気管支浸潤は34例(81%),大動脈浸潤は10例(24%),肺静脈浸潤は3例(7%)に認めた.CRT群20例のうち,奏効率はCR 8例(40%),PR 1例(5%),SD 1例(5%),PD 10例(50%)であった.CT群22例の奏効率はCR 0例,PR 15例(68%),SD 2例(9%),PD 5例(23%)であった.
Grade3以上の有害事象はCRT群で好中球減少Grade3以上が6例(30%),食思不振2例(10%),CT群で好中球減少12例(55%),発熱性好中球減少症は3例(14%),食思不振2例(9%),腎機能障害1例(5%)であった.
手術へ移行した症例はCRT群で2例(10%)あり,開胸開腹食道亜全摘術を施行した.CT群では14例(64%)あり,そのうち胸腔鏡下手術が6例,開胸開腹食道亜全摘術が8例であった.14例中,4例はDCF後に追加で化学放射線療法を施行していた.組織学的治療効果はCRT群で,Grade 1b/2が1例/1,CT群でGrade 0/1a/1b/2がそれぞれ2例/5例/4例/3例であった.CRT群では2例ともR0手術,CT群ではR0手術は9例(64%)であった.R0切除またはCRとなった無病達成割合は,CT群で10例(45%),CRT群で8例(40%)であった.
術後合併症として,CRT群では1例にClavien-Dindo分類2以上の反回神経麻痺,肺炎を認め,CT群では縫合不全 2例(14%),反回神経麻痺 3例(21%),肺炎 4例(29%)を認めた.
観察期間中央値は15ヵ月(5-51か月)で,2年OSはCRT群 vs CT群で53.6% vs 50.6%,p=0.28で予後に差を認めなかった.
【考察】先行する治療によって有害事象や奏効率,予後に有意な差は認めなかった.血液毒性など有害事象は多いが,3剤併用化学療法は化学放射線療法と同等の無病達成を望める可能性がある.
【結論】予後において,CT群はCRT群に対しての優位性は示せなかったが,無病達成割合においては化学放射線療法と同等の効果があると思われる.

キーワード

臓器別:食道

手法別:集学的治療

前へ戻る