演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

頸部食道癌の治療戦略について

演題番号 : P126-5

[筆頭演者]
鴇沢 一徳:1 
[共同演者]
川久保 博文:1、眞柳 修平:1、須田 康一:1、中村 理恵子:1、和田 則仁:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学・医学部・外科学(一般・消化器)

 

【背景】本邦では食道癌の占居部位は胸部中部食道が51.6%と最も多く,頸部食道癌は4.0%と最も少ない.下咽頭から頸部食道では解剖学的構造や生理学的機能が複雑であり,中でも喉頭合併切除による発声機能の喪失は術後のQOL を大きく低下させるため,根治性とQOL のバランスを考慮した治療法の選択が重要である.
【方法】当院における2011年から2014年までの食道癌初診症例のうち,副病変を含め頸部食道に病変が存在した症例の治療法と予後を検討した.進行度は食道癌取扱い規約第10 版に従って記載した.
【結果】対象となる45例のうち主病変の占居部位が頸部食道であったのは33例(73.3%),胸部上部食道癌が頸部食道まで及んでいたものが6例(13.3%),副病変であったものが6例(13.3%)であった.臨床病期はStage0 9例(20.0%),StageⅠ 12例(26.7%),StageⅡ 6例(13.3%),StageⅢ 10例(22.2%),StageⅣa 6例(13.3%),StageⅣb 2例(4.4%)であった.Stage0-Ⅲの3年生存率は87.5%,StageⅣaの3年生存率は66.7%であった.
cStage0の9例は全例内視鏡治療を行い,2例(22.2%)は非治癒切除であったが化学放射線療法を追加し無再発生存している.
cStageⅠの12例の治療法は内視鏡治療 4例(33.3),喉頭温存手術 4例(33.3%),化学放射線療法 2例(16.7%),術前化学療法から化学放射線療法へのconversion 1例(8.3%),化学療法・陽子線併用療法 1例(8.3%)であった.このうち化学療法・陽子線併用療法を行った1例に局所再発を認めた.内視鏡治療は全例非治癒切除であったため化学放射線療法ないし放射線単独治療を追加し,無再発生存している.
cStageⅡ-Ⅲの16例の治療法は,術前化学療法の後に喉頭温存手術を行った症例が5例(31.3%),術前化学療法から化学放射線療法へconversionした症例が2例(12.5%),根治的化学放射線療法が9例(56.3%)であった.手術症例5例のうち1例(20.0%)に局所再発を認めた.非手術症例11例のうち3例(27.3%)に血行性転移ないしリンパ節再発を,4例(36.4%)に局所再発を認めた.局所再発4例のうち2例はサルベージ喉頭温存食道切除術,1例はサルベージ咽頭喉頭食道切除術,1例は光線力学療法を行い,長期生存している.
【結語】喉頭温存が困難な頸部食道癌に対してはまず非手術治療を考慮されるが,局所再発率が高いためサルベージ治療を念頭に慎重な診療が必要と考えられた.

キーワード

臓器別:食道

手法別:集学的治療

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