演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

多発リンパ節転移を伴う進行食道癌に対する術前化学放射線療法の効果について

演題番号 : P126-3

[筆頭演者]
川北 雄太:1 
[共同演者]
本山 悟:1、佐藤 雄亮:1、脇田 晃行:1、長岐 雄志:1、南谷 佳弘:2

1:秋田大学・医学部・食道外科、2:秋田大学・医学部・胸部外科

 

<目的>
多発リンパ節転移(転移個数4個以上)の症例は予後不良である。当教室では2009年からこのような症例に対して術前化学放射線療法(NACRT)を導入してきた。今回我々は、術前診断で転移個数4個以上のリンパ節転移を有する症例の治療成績をNACRT症例と手術先行症例において比較検討した。
<対象と方法>
術前診断で4個以上のリンパ節転移ありと診断され、手術先行治療を受けた進行食道癌21例(2003-2009年)と、同じく4個以上のリンパ節転移を有するNACRT症例11例(2009-2016年)の治療成績を後ろ向きに解析した。NACRTレジメンは5-FU (800mg/m2, Day1-5, Day28-32)、CDDP/CDGP (80mg/m2, Day1, Day28)、40-42Gy (主病巣+転移リンパ節)とした。術前治療終了後から手術までの期間は3週間以上とし、手術先行症例と同等の3領域リンパ節郭清、R0手術を行った。
<結果>患者背景に両群間で有意差を認めなかった。術前リンパ節転移個数中央値は手術先行群で4(4-6)個、NACRT群で4(4-6)個であり、有意差を認めなかった。NACRTの組織学的治療効果判定はGrade1/2/3=3/3/5例であり、切除標本のpCR率は27.3%であった。
術後再発は手術先行群で10例(47.6%)、NACRT群で5例(45.5%)に認められ、再発形式は手術先行群、NACRT群それぞれで、リンパ節/遠隔臓器/リンパ節+遠隔臓器=5/4/1例、1/4/0例であった。
無再発生存期間(DFS)は手術先行群(観察期間中央値38.3ヵ月)で術後1年/2年/3年生存率=52%/52%/52%であり、NACRT群(観察期間中央値21ヵ月)で術後1年/2年/3年生存率=73%/64%/51%であった。
全生存期間(OS)は手術先行群(観察期間中央値48.4ヵ月)で術後1年/2年/3年生存率=86%/67%/57%であり、NACRT群(観察期間中央値31.2ヵ月)で術後1年/2年/3年生存率=100%/69%/52%であった。
多発リンパ節転移(転移個数4個以上)症例において、1年DFSおよび1年OSはNACRT群でやや高い傾向を認めるものの、2年以降に関しては、現時点ではNACRTの治療効果は高いと言えない。

キーワード

臓器別:食道

手法別:集学的治療

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