演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

胸部食道切除術を施行した食道腺癌症例の治療成績

演題番号 : P126-2

[筆頭演者]
番場 竹生:1 
[共同演者]
中川 悟:1、宮城 良浩:1、會澤 雅樹:1、松木 淳:1、藪崎 裕:1、野上 仁:1、金子 耕司:1、神林 智寿子:1、丸山 聡:1、野村 達也:1、瀧井 康公:1、佐藤 信昭:1、土屋 嘉昭:1

1:新潟県立がんセンター新潟病院・外科

 

【背景】本邦の食道癌において腺癌の頻度は非常に低い.食道胃接合部から腹部食道に限局する病変については,近年至適な切除術式や郭清範囲が検討されているが,病変範囲が胸部食道に及ぶ場合は扁平上皮癌と同様の治療が行われているのが現状である.【対象と方法】2002-2016年に当院で食道癌に対して胸部食道切除術を施行した538例中,腺癌と診断された19例の臨床病理学的特徴と治療成績を検討した.【結果】患者背景は全例男性,年齢中央値63歳(33-77歳).腫瘍局在(主座)はUt/ Mt/ Lt/ Aeが1/ 1/ 7/ 10例.17例(89.5%)がSiewertの接合部癌(Type I:10例,Type II:7例)であり,Type IIの7例中3例は3㎝以上の食道浸潤あり,3例は口側に壁内転移あり,1例は画像上縦隔内リンパ節転移陽性であった.組織学的にバレット食道と診断されたのは2例(10.5%)のみであった.8例(42.1%)に術前化学療法(CDDP/5-FU:5例,docetaxel/CDDP/5-FU:3例)を施行し,臨床的効果判定はPR:1例,SD:7例であり奏効率は12.5%であった.手術は右開胸:13例,胸腔鏡下食道切除6例で,両側頸部郭清は5例に行い,全例に胃管再建を行った.癌遺残度はR0/ R1/ R2が12/ 2/ 5例であった.病理所見では腫瘍径は中央値50mm(12-190mm),分化度は高/ 中/ 低分化型腺癌が5/ 11/ 3例であり,深達度はT1b /T2/ T3/ T4が1/ 5/ 10/ 3例であった.リンパ節転移陽性は16例(84.2%)であり,頸部/ 縦隔/ 腹部リンパ節の転移頻度は1例(5.3%)/ 11例(57.9%)/ 11例(57.9%)であった(重複あり).最終病期(規約)はStage II/ III/ IVが6/ 10/ 3例であった.R0切除の12例中5例(41.7%)に再発を認め,再発内容は血行性転移4例、リンパ行性転移1例、播種性転移1例であった(重複あり).術後観察期間中央値20か月(4-95か月)で,3年生存率は44.1%であった.【まとめ】胸部食道に病変が及ぶ食道腺癌では縦隔リンパ節転移の頻度が高く,縦隔郭清を伴う胸部食道切除術の必要性が示唆された.進行症例が多く術前治療を含む集学的治療も重要と考えられ,今後の症例集積による検討が必要である.

キーワード

臓器別:食道

手法別:集学的治療

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