演題抄録

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開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

がん患者の家族向け情報支援のあり方に関する研究 第1報~家族を対象とした調査から~

演題番号 : P111-5

[筆頭演者]
浦久保 安輝子:1 
[共同演者]
早川 雅代:1、高山 智子:1

1:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター

 

【背景】がん患者の家族は、患者の療養を支える重要な役割を持ち、療養生活の中でしばしば患者と同様に不安の増加やquality of lifeの低下が認められること、家族の心理社会的状態が患者の療養生活に深く影響することが報告されている。しかし、家族の困りごとや情報ニーズに関する検討は十分になされていない。
【目的】がん患者の家族を対象に、療養生活の困りごとに関する実態調査を実施し、今後拡充が望まれる情報を同定するとともに、家族のニーズに合った情報支援のあり方を検討する。
【方法】2015年9~10月に、国立がん研究センターがん対策情報センター患者・市民パネルのうち、がん患者の家族である者を対象に、自己記入式質問紙調査を実施した。家族の社会的、心理的、物理的な困りごとに関する8項目(例:仕事や学業の継続、通院や介護の時間的負担、不安や気持ちの落ち込み)について、「困った程度」と「解決のきっかけになる情報が得られたか」を3段階で問い、具体的な内容については自由記述で回答を求めた。
【結果】33人より回答を得た。平均年齢は56.8歳、男性10人、女性23人、患者のがん種は、胃・乳、肺の順に多く、患者との続柄は配偶者が多かった。
がん患者の家族は、家族自身の「今後の病状の変化への不安」や「気持ちの落ち込み」など、心理的な困りごとをもっとも強く感じていた。また、患者に関する情報(例:副作用への対処)よりも、家族自身に関する情報が得られにくいと感じていた(t-test、P<.01)。情報が得られなかった内容としては、「医療者・患者とのコミュニケーションの方法(27.3%)」「自分の気持ちの落ち込みの対処方法(27.3%)」に関するものが多く、自由記述では、「病気や予後の告知、終末期に関する話し合い」「延命治療や代理意思決定に関する話し合い」に関連するものが多くあげられていた。また、情報がより得られにくいと感じていた者は、患者の診断時の病期進行度が高い傾向にあった。
【考察・結論】家族は心理的な困りごとをより強く感じている傾向にあり、家族自身に関する情報が得られにくいと感じていた。また、進行度の高いがん患者の家族に特徴的と推測される困りごとや情報の不足感が伺えた。本検討の対象者数は少なく、今後さらに検討を進めていくとともに、本領域における家族向けの情報の拡充が必要だと考えられた。

キーワード

臓器別:その他

手法別:患者支援

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