演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

思春期・若年成人(AYA)世代がん患者に対する相談員・相談体制実態調査報告

演題番号 : P111-4

[筆頭演者]
樋口 明子:1 
[共同演者]
小原 明:2、小澤 美和:3、清水 千佳子:4、多田羅 竜平:5、丸 光恵:6、松本 公一:7、山本 一仁:8、大園 誠一郎:9、堀部 敬三:10

1:公益財団法人がんの子どもを守る会・ソーシャルワーカー、2:東邦大学・医学部・小児科、3:聖路加国際病院・小児科、4:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院・乳腺・腫瘍内科、5:大阪市立総合医療センター・緩和医療科、6:甲南女子大学・看護リハビリテーション学部、7:国立成育医療研究センター・小児がんセンター、8:愛知県がんセンター・細胞療法部、9:浜松医科大学・医学部・泌尿器科、10:独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター・臨床研究センター

 

【目的】がん拠点病院及び小児がん拠点病院が全国に整備され、がん相談支援センターを中心とした相談体制が構築されるようになっている。思春期・若年成人(AYA)世代がん患者が抱える課題は、他の世代に比べて特有のものがあるが、十分な支援体制ではないと指摘されており、相談支援の役割は大きいと考えられている。AYA世代がん患者に対する相談員・相談体制の実態を調査し、スムーズな相談支援を行うための方策を検討する。
【方法】地域がん診療連携拠点病院および小児がん拠点病院433施設を対象に、相談体制及び相談員の実態に関する調査用紙を2016年4月に送付した。調査内容は、AYAという言葉を知っているか、相談員の人数、経験年数、実際に経験した相談内容及び対象、AYA世代がん患者のニーズ認識、相談対応の困難感、スムーズな相談対応のための促進/阻害要因を含めた。また、医師・看護師・患者家族調査の質問項目とも合わせ、比較検討できるようにした。本調査ではAYA世代を15-39歳と定義し、15-19歳、20-24歳、25-29歳、30歳以上の4分類で検討できるように工夫した。
【結果】355名の相談員及び230施設から返信があった。相談実績としてはAYA世代がん患者の相談の実績は少ない。AYA世代がん患者の相談実績がある相談員のうち15-19歳の世代は親からの相談は受けているものの(60.0%)、患者本人からの相談は少なく(17.0%)25-29歳で親と患者本人からの相談の割合が逆転した。治療中(治療中患者)及び現在(サバイバー)が抱えている悩みで最も多く選ばれた「今後の自分の将来のこと」(治療中59.1%、サバイバー49.4%)に対し、相談員は(45.9%)とAYA世代がん患者が抱えているニーズを他職種(看護師、医師は上位5外)より把握している一方で、苦手意識や困難感を感じている者が多かった。特に20代の相談員にとって同年代に近い若年層の患者からの相談に困難感を抱えている傾向がみられた。
【考察】今回の調査は、返信のあった施設に偏りがあるなど探索的な調査と言わざるを得ない。しかしながら、全国に散在するAYA世代がん患者に対する相談員の現状の傾向を把握することができた。AYA世代がん患者は希少であることからも単施設だけではなく、他施設で相談・連携しあえる環境及びAYA世代がん患者に即した社会資源及び情報について国策での積極的な取り組みが求められることが示唆された。

キーワード

臓器別:その他

手法別:患者支援

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