演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

就学期、学童期の子供を持つがん治療患者の子供への関わりについて支援を考える

演題番号 : P111-2

[筆頭演者]
坂本 路代:1 
[共同演者]
蔦 和子:1、西紋 佳奈:1

1:独立行政法人労働者健康安全機構香川労災病院・看護部

 

1.目的
癌に罹患した子育て世代の親が、子供へ病気を伝えるかどうか、またどう伝えるべきかという思いに対し、面談を通して介入を行った。介入事例から子供への関わりを持つための親への支援について検討したので報告する。
2.結果
平成27年5月1日~平成28年4月30日にA病院で化学療法を受ける就学期、学童期の子供を持つ患者8名(平均年齢37.4歳、男性2名、女性6名)に対して介入を行った。8名とも固形癌であり、病期はⅡ期2名、Ⅲ期2名、Ⅳ期4名であった。子供の平均年齢は8.4歳であった。子供へ病気のことを伝えますか?の問いに対して、「伝える」と答えた患者は5名、「伝えない」と答えた患者は3名であった。その理由には、「髪の毛が抜けるからごまかせない」「周りから耳に入るのは嫌だから」「余命が少ないので」「伝える勇気が自分にない」というものであった。伝える意思決定をした5名に対しては、KNITプログラムが提唱する3C(「誰のせいでもない」「がんという言葉をつかう」「感染しない」)を取り入れ作成されたパンフレットを一緒に見ながら、実際の伝え方について介入を重ねた。患者に伝えた後の子供の反応を聞くと、「きちんと話を聞いてくれた。伝えてよかった」という言葉が聞かれた。伝えない意思決定をした3名にも介入を継続した。気持ちの揺れは見せつつも伝えない選択は変わらなかった。
3.考察
共通して聞かれた患者の気持ちに、どう伝えたらいいのかわからないということがあった。子供へ伝える際にKNITプログラムで提唱されている「3C」を使うこと、伝え方の正解はなく、あなた自身の言葉で話すことが大切であるということを伝える介入は、患者が伝えるイメージがしやすく有効であった。伝えない選択をしたうち2名は病期がⅣ期であり、余命の説明も受けていた。まずは自分の気持ちと向き合うことへの時間を要したと考える。しかし、「問いかけがないときちんと考えようと思わなかったと思う。」と言われ、子供と向き合おうとする働きかけには繋がったと考えられた。
4.結論
子供へ自分の病気を伝えることで、親子の関係性が深まり治療意欲も高まる事例を経験した。しかし、伝えることがゴールではなく、患者自身が病気の現実や自分の気持ちに向き合える介入が、子供への関わりへの介入の入り口となりうると示唆される。子供もケアの輪に入れてのサポートが今後の課題である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:がん看護

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