演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

がん領域の認定看護師が直面する就労相談場面の分析

演題番号 : P106-5

[筆頭演者]
松山 円:1 
[共同演者]
谷口 貴子:1、鈴木 知美:1、福﨑 真実:1、森岡 直子:1、柳田 秀樹:1、神 直美:2、水主 いづみ:1、山本 洋行:4、盛 啓太:5、石川 睦弓:3

1:静岡県立静岡がんセンター・認定看護師教育課程、2:静岡県立静岡がんセンター・看護部、3:静岡県立静岡がんセンター・患者・家族支援研究部、4:静岡県立静岡がんセンター・看護技術開発研究部、5:静岡県立静岡がんセンター・臨床研究支援センター

 

【研究目的】
がん領域の認定看護師が直面した就労の相談対応に困難を来した場面を分析し、看護への示唆を得ることである。
【研究方法】
調査期間:2016年11月~12月。
調査方法:がん看護エクセレントプログラムに参加する全国のがん領域認定看護師(以下、看護師)に無記名自記式アンケートを郵送し記載を依頼した。
対象:返信されたアンケート用紙の自由記載欄に回答があった24名の看護師
分析方法:記述された就労相談内容を逐語録のデータとし質的帰納的に分析し困難を抽出した。
【用語の定義】
就労相談:就職、復職、休職、退職、仕事内容の変更、経済面に関する相談とした。
【倫理的配慮】
静岡県立静岡がんセンター倫理審査委員会の承認を得た。
【結果】
対象者の認定分野は、乳がん看護11名、がん化学療法看護5名、皮膚・排泄ケア、緩和ケア各3名、がん性疼痛看護、がん放射線療法看護各1名であり、認定看護師経験年数は1~2年以下12名、3~5年以下10名、6年以上2名であった。就労相談対応が困難な場面として①「自己概念と社会生活」、②「症状と仕事の折り合い」、③「生活とがん治療」が抽出された。①では、がん罹患や治療によって自己概念の変化を余儀なくされる患者の<自己概念の再構築>と<社会での生き方・あり方>の両立に困難を感じていた。②では、<がん治療により身体的症状が生じた患者の症状マネジメント>と、<働く意味や目的を踏まえた仕事>の両立に困難を感じていた。③では、がん罹患前から苦しい経済状況にある患者の、<生活費・治療費の工面>と<がん治療>の両立に対して困難を感じていた。
【考察】
本研究によって、看護師は患者の<これまでの生活を維持すること>と、がん罹患や治療によって変化を余儀なくされる患者が<変化をどのように受け入れるか>という点で困難を感じている現状が明らかとなった。このような困難に対応するために、がん罹患前の患者の自己概念、仕事の意味、経済状況などを把握していくことが重要である。また集学的な治療を受ける患者の現状だけでなく先に起こる出来事を見通し、効果的、予期的に関わっていく力も必要である。一方で「生活とがん治療」の場面では看護師だけでの対応は困難であり、早期に多職種と協働していく重要性が示唆された。今回得られた結果を元に、看護師が初期アセスメントを行う際に必要な情報収集項目の作成を行うことが今後の課題であると考える。

キーワード

臓器別:その他

手法別:がん看護

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