演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

がん相談支援センターの相談記録結果を用いた患者の家族からの相談内容に関する分析

演題番号 : P106-3

[筆頭演者]
石川 文子:1 
[共同演者]
早川 雅代:1、八巻 知香子:1、高山 智子:1、若尾 文彦:1

1:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター

 

【背景・目的】
患者を身近で支える家族の状態が、患者の生活の質に影響するとの報告もあり、患者のみならず家族を支援することも求められている。本研究では、がん相談支援センターに寄せられる、患者からの相談と家族からの相談を分析することで、家族からの相談の特徴と今後のさらなる情報提供や支援方法のあり方を検討することを目的とした。
【方法】
がん診療連携拠点病院16施設のがん相談支援センターが、連続した20日間で受けた全相談内容を記録した相談記入シートの結果を用いて、患者および家族からの相談者別に、性別、相談時期、相談内容27項目(複数回答)の違いについて分析した。
【結果】
相談件数は患者からの相談が1474件、家族からの相談が996件で、全体の約4割が家族からの相談であった。患者からの相談の63%、家族からの相談の70%は女性からの相談であった。一方、家族からの相談では、相談者が男性の場合は患者が女性、相談者が女性の場合は患者が男性である割合が高かった。相談内容としては、家族からの相談では「1.がんの治療(33%)」「2.不安・精神的苦痛(25%)」「3.ホスピス・緩和ケア(24%)」「4.介護・看護・養育(19%)」「5.転院(16%)」の順に多かった。3~5番目の"治療後の療養場所"についての相談は、患者からの相談では多くみられない内容であった。また、治療時期別では『治療中』から『緩和ケア実施中』において、"治療後の療養場所"についての相談が家族から多く寄せられていた。
【考察・結論】
本研究では、家族としての相談は、配偶者としての相談が多いことが推察された。また、家族が、患者からの相談と比較して「ホスピス・緩和ケア」について多く、『治療中』から相談している傾向がみられたことから、患者本人に代わって、あるいは、患者本人とは異なる立場で情報収集していることが考えられ、前者である場合には、家族に対して緩和ケアに関する情報を提供することで、患者にも緩和ケアへの理解を助けることになると考えられた。一方、後者である場合には、患者と家族間の情報共有の必要性や対応方法についても支援していくことが必要であると考えられた。また、診療や療養場面において、家族向け"治療後の療養場所"についての情報支援を早めに行うことで、家族、ひいては、患者本人の療養生活の安心につながると考えられた。

キーワード

臓器別:その他

手法別:患者支援

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