演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

がん相談支援センターの相談員が医療情報の支援を行う上で求められる力についての検討

演題番号 : P106-2

[筆頭演者]
小郷 祐子:1 
[共同演者]
八巻 知香子:1、高山 智子:1

1:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター

 

【目的】
患者の声を受けて策定された「がん対策推進アクションプラン2005」以降、拠点病院に相談支援センターを置くことで正確な情報支援を行うことが目指されてきた。しかし、がん医療の高度化・複雑化、情報環境の変化等も相俟って「信頼できる情報が得られない」という指摘は続いている。
多職種で構成され教育背景にばらつきがある相談員の現状を踏まえ、本検討では、がん相談支援センターが医療情報の支援機能を果たす上で、相談員が共通に備えるべき力を把握することを目的とした。

【方法】
国立がん研究センターが設けるがん相談支援に関わる部会や委員会の委員のうち、研究協力の同意が得られた12名の相談員を対象として、2016年11月から2017年1月にかけて計5回、各3時間程度のフォーカスグループディスカッションを実施した。
議論内容の記録の質的な内容分析から、医療情報の支援を行う上で重要と考えられる要素を抽出した。

【結果】
①一般的な医療情報から最新の情報・巷に溢れる情報まで、健康・医療に関する情報を入手・理解・評価・活用する力
②相談者の状況を的確に把握するとともに課題解決に必要な資源を見極める力
③相談者に合わせた方法で公平に情報を伝えるとともに相談者が自力で動けるよう支援する力
④自己の力量とつなぎ先の力量を認識した上で切れ目のない橋渡しをする力
⑤組織として一定レベルの対応ができるよう情報を蓄積・整備する力
の5テーマが抽出された。
①に関しては<情報を評価する力><診療ガイドラインを扱う力>等のカテゴリーから生成されており、エビデンスレベルや研究開発の手法・段階等、情報の適切さを判断するための知識を備えること、少なくとも患者向けガイドラインと5大がんの診療ガイドラインは扱えること、ガイドラインのどこに何が書かれているか目次レベルで分かること等が全ての相談員に必要との見解が示された。

【考察】
全体を通して重点的に議論されたのは、相談者のヘルスリテラシーレベルに合わせて、診療ガイドラインを活用する必要性や医療情報をいかに読み解き、いかに情報を提供するか等、ヘルスリテラシーに関わる内容であった。相談員の職種による教育背景の違いにも配慮しながら、今後、研修等の機会を通じて、本研究で示された相談員としてのヘルスリテラシーのミニマムスタンダードを普及させていく必要があると考えられた。

キーワード

臓器別:その他

手法別:患者支援

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