演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

抗癌剤の曝露対策の実際(CSTD導入後の評価)

演題番号 : P105-5

[筆頭演者]
新森 健太郎:1 
[共同演者]
植村 大歌:1、一林 三保子:2、中山 裕行:3

1:大和高田市立病院・薬剤部、2:大和高田市立病院・外来診療科、3:大和高田市立病院・外科

 

【背景と目的】A病院では2014年12月より分子標的薬を除く、殺細胞性抗がん剤の調整においてCSTD(閉鎖式接続器具)を導入した。2016年に抗がん剤の曝露調査を行った結果、環境汚染の実態が明らかとなった。CSTDが適切に使用されていない現状や環境汚染を把握したためその対策と結果を報告する。
【対策】2016年に行った曝露調査は、対象薬剤をフルオロウラシル(5-FU)とした。残留量が多かった箇所は、携帯型持続注入ポンプ(注入ポンプ)、抗がん剤調整後の輸液ボトル、外来患者用男性トイレであった。作業環境の見直しとして、抗がん剤調整時の適切なCSTDの使用について、薬剤部内で説明会を実施。注入ポンプ使用時もCSTDを使用する事を統一した。院内教育として、全職員を対象とした研修会を3回開催。患者指導として、男性には座って排泄、排泄後の便器洗浄は2回するなど、自宅での対策も含めた指導を統一した。取り組み後の環境調査として5-FUの測定を2017年1月に行った。
【結果】注入ポンプの5-FU残留量は、9850ng/cm2からND(検出限界以下)と改善。抗がん剤調製後の輸液ボトルの表面は、前回6.80から4.44 ng/cm2、化学療法室作業台は、前回1.37から10.7 ng/cm2であった。調査を追加した項目は、病棟で使用する輸液ポンプ 811 ng/cm2、化学療法室輸液ポンプ 84.7 ng/cm2であった。また、抗がん剤調整や投与に関わっていない、MEセンターの床やドアノブからの検出もあった。
【考察】注入ポンプへの調製時など、適切にCSTDを使用することで、抗がん剤曝露を低減することができた。しかし、調製者の手技的な問題や、CSTDを用いても輸液ボトルの汚染を完全に防止できるわけではない。また、A病院の現状として、一部の5-FU持続投与レジメンに関しては、CSTD輸液セットを使用していない。化学療法室での5-FU投与時はCSTDを使用しているが、病棟では輸液セットの差し替えが発生していることから、使用頻度の低い病棟で使用する輸液ポンプへの残留量が多く検出されたと考えられる。
【今後の課題】今回の結果から、一部の部署、スタッフが注意をしても抗がん剤の曝露はなくならないことが確認出来た。抗がん剤曝露対策の必要性など、院内スタッフの意識を高めることが出来る様に、定期的な曝露対策の研修会を開催する。院内で出来る曝露対策を全てのスタッフが取り組めるよう意識を高め、スタッフ間での意思統一を図っていく。

キーワード

臓器別:その他

手法別:チーム医療

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