演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

外来化学療法室における抗がん薬曝露対策の取り組みと検証

演題番号 : P105-2

[筆頭演者]
田代 陽子:1 
[共同演者]
清川 典子:1、田中 千春:1、浦山 雅弘:1、磯部 秀樹:1

1:済生会山形済生病院

 

【目的】がん薬物療法はHazardous Drugsを扱う治療法であるため、職業曝露の危険性が高く十分な対策が必要であることは知られている。当院でも日本薬剤師会や看護協会のガイドラインなどを参考に曝露対策を行ってきた。更に投与時の曝露対策の強化のため、防護具の着用に加えて閉鎖式器具の導入を2014年より行っている。今回、「がん薬物療法における曝露対策合同ガイドライン」が2015年に発刊されたことを受けて当院の曝露対策の現状を検証し、今後の課題について検討したので報告する。
【方法】当院の抗がん薬曝露対策の現状をガイドラインと照らし合わせて検証する。また、2016年度に当院の外来化学療法室で使用された閉鎖式器具、個人防護具、廃棄BOXなどの曝露対策のために使用している器材の費用を算出した。
【結果】2016年度の外来化学療法件数は1479件であり、そのうち揮発性の高い薬剤の使用は75件だった。曝露対策の現状として調製は薬剤部で中央化、安全キャビネットと個人防護具を使用していた。閉鎖式器具の使用については揮発性の高い薬剤にのみとなっていた。投与においては個人防護具、閉鎖式器具を全薬剤に使用していた。廃棄については専用の廃棄BOXを調製室と外来化学療法室に設置している。リネンの取り扱いについては、スピル時や排泄物の汚染時には防護具の着用と取扱いの注意を依頼している。また、清掃員については防護具の着用を依頼しているが徹底までには至っていない。
2016年度に曝露対策のために使用した費用(調製・投与時の閉鎖式器具、個人防護具、廃棄BOXなど)は、約700万円であり、外来化学療法室加算と無菌調製処理料の合計が約1000万円であった。
【考察】当院の抗がん薬曝露対策は、投与・廃棄の分野ではガイドラインに沿った内容であり、全薬剤に閉鎖式器具を使用しているため、投与を行う看護師にとって安全が担保されている状況であり、安心できる状況だった。反面、薬剤の調製に関しては揮発性の薬剤にだけ閉鎖式器具を使用している状況であり、全薬剤への導入を検討していく必要があると思われた。また、リネンの取り扱い、清掃に関しては施設外業者であるため対策が不十分であり、曝露してしまう可能性があると思われた。
【結語】当院の曝露対策は概ね良好であったが、調製・投与以外の運搬やリネン類の取り扱い、清掃の部分で改善が必要である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:化学療法

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