演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

抗がん剤による職業性曝露の現状と対策

演題番号 : P105-1

[筆頭演者]
岩男 真太郎:1 
[共同演者]
平原 行美:1、仲摩 五和子:1、岩坂 淳子:1、錦 耕平:2、麓 祥一:2、中村 太郎:3、山田 みゆき:1

1:社会医療法人恵愛会大分中村病院・看護部、2:社会医療法人恵愛会大分中村病院・外科、3:社会医療法人恵愛会大分中村病院・整形外科

 

【はじめに】近年、抗がん剤治療においては、次々と開発される新規薬剤、プロトコールの登場により目覚ましい進歩を遂げており、同治療に関わる医療従事者は増えている。一方、抗がん剤は、取り扱う医療従事者の健康を及ぼしうる薬剤でもあることから、被曝経路や危険性を十分に理解し、適切な対策を取るべきであると考える。しかしながら、抗がん剤曝露の詳細な調査や対策法の周知、徹底ついては、十分に普及しているとは言えず、その改善は急務である。【目的】院内曝露現状の把握及びその結果に基付いた曝露対策を検討し、組織的な安全対策、環境整備を進める。【方法】入院化学療法にて5-FUを5日間持続投与する患者を対象に、サンプリングシート法(S)あるいは拭き取り法(W)による曝露調査を行い、シオノギ分析センターに測定を依頼した。測定箇所は、①個室トイレの足元(立位での排尿)、②点滴スタンドの下、③点滴スタンドのポール部分、④混注後の運搬かごの底、とした。輸液ボトル交換は「がん薬物療法における曝露対策合同ガイドライン2015年版」に従い施行、ただし、閉鎖式薬物混合システム(CSTD)は未使用である。【結果】5-FUの総投与量は計4750mgであった。各測定箇所における5-FU曝露結果は、① 0.14ng/cm²(S)、② 0.2ng/cm²(S)、③ 4.75ng(W)、④ 0ng/cm²(S)であった。前記結果を医療従事者へ周知、注意喚起し、患者指導(座位での排尿)した上で、①~③について再調査したところ、曝露結果はそれぞれ① 0.61ng/cm²(S)、② 0.09ng/cm²(S)、③ 117ng(W)であった。【考察】今回の調査結果から、医療従事者への周知、注意喚起及び患者指導だけでは、完全な曝露対策は難しいと考える。文献上、① 0.23-90.55ng/cm²(S)、② 3545.6ng/cm²(S)という報告もあり、当院における曝露状況が他施設と比較し、特別な問題を抱えているとは思わないが、曝露の無い環境を目指し対策を進めていくべきであると考える。現在、ガイドラインに基付き、CSTD使用の検討、個人防護具の徹底、取扱いに関わる作業手順の策定、排泄物処理方法の指導、職員の教育・研修など組織的な環境整備を進めており、その取り組みについても提示したい。

キーワード

臓器別:その他

手法別:がん看護

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