演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

外来化学療法室での安全な投与管理に向けた取り組み~ハンドオフシートを導入して~

演題番号 : P102-3

[筆頭演者]
山﨑 里花:1 
[共同演者]
田中 美帆:1、林 真紀子:1、原武 めぐみ:1、石田 洋子:1、藤原 季美子:2、今野 元博:3

1:近畿大学・医学部付属病院・看護部、2:近畿大学・医学部付属病院・薬剤部、3:近畿大学・医学部・外科

 

【はじめに】A病院の外来化学療法室(以下化学療法室)は、平成28年4月までは18床であり、年間約15000件程度の治療を実施していた。その中で平成27年度の投与管理に関するインシデントは15件であった。平成28年5月から化学療法室を10床増床し28床となった。予想される治療件数増加に伴うインシデント件数の増加防止のため、A病院の医療安全モデル思考であるチームSTEPPS(2005年に米国で始まった医療組織改革のためのプログラム)に基づいた業務改善に取り組んだため、その結果を報告する。
【方法】平成27年度の薬剤投与管理に関するインシデントを抽出した。インシデント内容は、血管外漏出が12件、治療薬未実施の事例が2件、支持薬の内服忘れが1件の計15件であった。
これらのインシデントからチームSTEPPSの視点を基に要因となる業務工程を抽出し、検討箇所を①患者ケアの申し継ぎ方法の統一、②看護師のケア業務手順の2ヵ所とした。検討箇所①を協議し、穿刺時の状態や穿刺部位をシェーマ等必要な観察・確認事項や情報を記載するハンドオフシート(申し継ぎ用紙)の作成と運用手順を決定した。②については、患者一人の投与管理に対して、多数の看護師が介入するため、役割分担を明確化した。そして、医師により指示された投与薬剤を電子カルテと処方箋、携帯の電子端末で確認した後に投与するようにした。業務工程を変更後は、スタッフ間で2か月毎にハンドオフシートの評価と追加・修正を繰り返し、業務の定着を図った。
【結果】ハンドオフシート作成や投与管理方法の変更後は、伝達事項が明確となり、患者情報を伝達し忘れることが無く、多職種間での申し送りが正確に行え、チームで患者情報を把握できるようになった。さらに平成28年6月から平成29年2月の9ヶ月間で評価をすると、血管外漏出のインシデントは3件、支持薬の内服忘れは0件、治療薬未実施は0件の計3件に減少した。
【考察】インシデントを分析し、チームSTEPPSの視点から薬剤投与管理に必要な情報を明確化し、多職種スタッフ間での投与管理に関するチェック項目を統一したことが安全な投与管理に繋がったと考える。さらにハンドオフシートの活用が投与管理に必要な情報収集を簡便にし、チームが患者の状態変化に迅速対応することにつながる可能性がある。

キーワード

臓器別:その他

手法別:がん看護

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