演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

Triple negative乳癌(TNBC)に対する術前化学療法の現状と課題

演題番号 : P10-5

[筆頭演者]
萩 美里:2 
[共同演者]
大谷 陽子:1、森 清:4、水谷 麻紀子:1、八十島 宏行:1、森川 希実:1、井上 敦夫:3、中森 正二:2、関本 貢嗣:2、眞能 正幸:4、増田 慎三:1

1:独立行政法人国立病院機構大阪医療センター・乳腺外科、2:独立行政法人国立病院機構大阪医療センター・外科、3:独立行政法人国立病院機構大阪医療センター・放射線科、4:独立行政法人国立病院機構大阪医療センター・病理学

 

【背景】Triple negative乳癌(TNBC)は、一般的に抗癌剤感受性はよいとされている。しかし近年、マイクロアレイをはじめとする遺伝子解析の結果から、多様性のあるサブタイプであることが指摘されており、実際に臨床の場でも、抗癌剤抵抗性を示すものが経験され、治療に苦慮することも多い。そこで今回、当院で術前化学療法を施行したTNBCの治療成績を検討した。
【対象】2003年11月から2016年4月に術前化学療法(アントラサイクリン系およびタキサン系の使用を計画)を施行した原発性TNBC 119例(T1c-T3, N0-2)。
【方法】後方視的に臨床病理学的因子、臨床効果、病理組織学的効果、予後についてカルテ情報を収集し解析した。
【結果】年齢の中央値は51歳(30-75)であった。腫瘍径は、T0 1例(0.8%)、T1 17例(14.3%)、T2 83例(69.7%)、T3 10例(8.4%)であり、中央値29.0mm(10-80)に分布した。リンパ節転移状況は、N0 68例(57.1%)、N1 42例(35.3%)、N2 5例(4.2%)であった。組織学的Grade(B&R)はGrade1 2例(1.7%)、Grade2 35例(29.4%)、Grade3 71例(59.7%)、不明 11例(9.2%)であった。
アントラサイクリン系とタキサン系の両者を投与できたのは111例であった。前半治療でPDになった症例は9例(アントラサイクリン系3例、タキサン系6例)であった。全例後半治療に移行し、薬剤変更後はCR 1例、PR 3例、SD 1例、PD 4例となった。両薬剤ともにPDであった4例では全例再発を認めた。
術前の臨床的効果判定は、CRが40例(33.6%)、PRが52例(43.7%)、SDが8例(6.7%)、PDが9例(7.6%)、不明 2例(1.7%)であり、奏効率は77.3%であった。薬剤変更後にnon-PDからPDへ移行した症例は5例(前半治療でPRが3例、SDが2例)であり、2例で再発を認めた。
病理学的効果判定は、DCISの残存していないpCR(SpCR)は32例(26.9%)、DCISの残存しているpCR(CpCR)例は42例(35.3%)であった。
【結語】当院の治療成績を検討した。今後の課題として、術前化学療法でPDとなった症例に対して適切な治療を行うために、このような症例を選別する方法を検討する必要があると思われた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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