演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

術前化学療法の組織学的効果判定と予後

演題番号 : P10-1

[筆頭演者]
米山 公康:1 
[共同演者]
中川 基人:1、山本 聖一郎:1、高野 公徳:1、筒井 麻衣:1、葉 季久雄:1、金子 靖:1、赤津 知孝:1、大住 幸司:1、佐々木 健人:1、原 明日香:1、吉川 祐輔:1、金井 歳雄:1

1:平塚市民病院・外科

 

【背景】術前化学療法後の組織学的効果判定により、使用薬剤の有効性を知ることができる。また術前化学療法施行例を対象とした多くの研究において、組織学的効果判定やリンパ節転移状況と予後は有意に相関していると報告されているが、実地臨床上はpCRのみが重要視されている感がある。【目的】術前化学療法の組織学的効果および化学療法後のリンパ節転移状況の予後因子としての意義を当院における術前化学療法施行例を対象として検証した。【対象と方法】2010年1月から2017年1月までの間に当院で術前化学療法を施行後に根治術を施行した原発乳癌54例を対象とし、画像および組織学的効果判定、リンパ節転移別に予後を比較検討した。組織学的効果判定は日本乳癌学会の取り扱い規約に則った。生存率の解析はKaplan-Meier法を用い、検定はlogrank testで行い、p<0.05で有意とした。【結果】全対象の年齢中央値は55歳(31~74歳)。臨床的腫瘍径の中央値は3.6cm(1.0~15.0cm)。臨床病期はⅡ/Ⅲが36/18例。術前化学療法のレジメンはアンスラサイクリンを含むものが40例、タキサンを含むものが37例、トラスツズマブを含むものが18例であった(重複あり)。画像による効果判定はcCR 17例、cPR 28例、cSD 9例であった。組織学的効果判定はGrade 3が14例、Grade 2が15例、Grade 0、1が25例であった。組織学的リンパ節転移は、なしが35例、1~3個が11例、4個以上が8例であった。観察期間の中央値は25か月(1~66か月)。画像による効果判定では3年全生存および無再発生存はcCR/cPR/cSDそれぞれ、100%/90%/100%、100%/96%/60%であり無再発生存で有意差を認めた(p=0.043)。組織学的効果判定では3年全生存および無再発生存はGrade 0,1/2/3それぞれ、93%/100%/100%、79%/100%/100%でありいずれも有意差を認めなかった。組織学的リンパ節転移では3年全生存および無再発生存は、なし/1-3個/4個以上それぞれ、100%/100%/42%、75%/100%/43%であり無再発生存で有意差を認めた(p<0.01)。【結語】今回の検討では、対象症例数も少なく観察期間も短いため統計学的な差は認められなかったが、画像および組織学的効果判定およびリンパ節転移個数は予後を反映していると思われた。今後も症例を重ね検証を続けたい。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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