演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

胆道癌の病理

演題番号 : OSY3-6

[筆頭演者]
鬼島 宏:1 
[共同演者]
袴田 健一:1、佐藤 温:1、福田 眞作:1

1:弘前大学・大学院医学研究科

 

胆道癌は、肝外胆管癌(以下、胆管癌)、胆嚢癌、乳頭部癌の3つに分類されるが、各々が解剖学的ならびに臨床病理学的に異なる特徴を有する。このため、胆道癌取扱い規約冊子では、胆道癌に共通内容が記載されたページと、「胆管癌・胆嚢癌・乳頭部癌」の3者で異なる内容が記載されたページが存在する。胆道癌主病巣の局所進展度は、T分類(TNM分類)で記載するが、これも、肝門部領域癌・遠位胆管癌・胆嚢癌・乳頭部癌の4者で異なる。
胆道癌の組織型は、その多くが腺癌adenocarcinoma(分化型腺癌)である。WHO分類2010では癌細胞形質により、胆道型 biliary type, 胃型(胃腺窩上皮型)gastric foveolar type, 腸型 intestinal typeに分類されており、各々で免疫組織学的特徴を有している。通常の胆道癌は、粘膜内部分では乳頭腺癌ないし高分化型管状腺癌の形態をとり、胆道壁に浸潤した部分では線維性間質desmoplasiaを伴いながら中分化型から低分化型管状腺癌を呈することが多く、浸潤部では細胞異型も一般に高くなる。
前癌病変premalignant lesionsとして、腺腫adenoma, 胆道上皮内腫瘍BilIN, 胆道内乳頭状腫瘍 (胆嚢内乳頭状腫瘍 ICPN; 胆管内乳頭状腫瘍 IPNB) などが記載され、各々の重要性が論じられている一方で、これらのみでは胆道癌の発癌すべてを網羅しきれていないと思われる。
早期胆道癌は、「癌の浸潤が粘膜内ないし固有筋層(線維筋層、Oddi筋)内に留まるもの」と定義されており、近年は相対的に予後良好の癌として症例が蓄積されている。今後は、各種の前癌病変から微小癌・早期癌、さらには進行癌への発育進展経路が明らかにされることが、予後不良の胆道癌の病態解明につながるはずである。

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