演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

胆道癌の治療開発における多施設共同研究の寄与するもの

演題番号 : OSY3-4

[筆頭演者]
井岡 達也:1 
[共同演者]
永野 浩昭:2,4、波多野 悦朗:3,4

1:地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター・検診部消化器検診科、2:山口大学・大学院医学系研究科・消化器・腫瘍外科、3:兵庫医科大学・医学部医学科・肝胆膵外科、4:関西肝・胆道オンコロジーグループ (KHBO)

 

【背景】
胆道癌は膵癌と同様、難治癌であるが、一方で、アジアに比べて欧米での罹患数は少なく、薬剤開発が遅れている。胆道癌に対する治療成績向上のためには、外科切除の開発はもちろん、病期に応じた集学的治療の開発が必要である。新規治療の早期開発と標準化をめざして、2010年に、多施設共同研究グループであるKansai Hepato-Biliary Oncology group(KHBO)を結成した。
【方法】
病期や手術内容に応じて臨床試験を行った。1-1) 化学療法についての後ろ向き試験(18施設から403例), 1-2) 高齢者における検証, 2-1)切除不能・再発癌に対する化学療法の第I相試験(GEM, CDDP+S-1, GCS療法), 2-2) GCS療法の第II相試験(50例), 2-3) GC療法に対する第III相試験 (246例), 3-1)肝葉切除後以外の術後補助療法(GC), 3-2) 肝葉切除後の術後補助療法(GemまたはS-1単独), 3-3) 肝葉切除後の薬物動態試験(Gem), 4) 術前補助療法の開発「FDG-PET 陽性リンハ節を伴う切除可能胆道癌に対する術前GCS」
【結果】
1-1) 切除不能と再発では予後が違う(Ikezawa K, JHBPS, 2013), 1-2) 75歳以上でも成績や有害事象はかわらない (Kou T, JGH, 2014), 2-1) GCS療法は隔週投与が安全(Kanai M, CCP, 2012), 2-2) GCS療法のMSTは16.2か月と良好 (Kanai M, CCP, 2015), 2-3) 246例の登録を1年半前後で終了、2018年6月に結果公表予定, 3-1) GC療法を術後補助療法として投与可能(Toyoda M, CCP, 2014), 3-2) 肝葉切除後だと、通常量のS-1は投与可能だが、Gemでは有害事象が増加し、隔週投与が推奨となった(Kobayashi S, CCP, 2014) 3-3) 肝葉切除後の有害事象の増加について、Gem血中濃度の影響は明らかではなかった (Fujiwara Y, PLoS One, 2015) 4) 25例の登録終了も重篤な有害事象報告はなかった。
【結論】
胆道癌における新規治療の早期開発と標準化のためには、外科医のみならず、内科医も含めた活発で自由な討論に基づく多施設での試験が必要である。

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