演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

監視療法患者のQOLに関する縦断的検討-PRIAS-JAPAN study-

演題番号 : O4-6

[筆頭演者]
加藤 琢磨:1 
[共同演者]
平間 裕美:1,2、杉元 幹史:1、筧 善行:1、横溝 晃:3、山口 秋人:3、安部 崇重:4、丸山 覚:4、三塚 浩二:5、荒井 陽一:5、福原 浩:6、佐々木 裕:7、穎川 晋:7、二宮 郁:8、橋根 勝義:8

1:香川大学・医学部・泌尿器科、2:国家公務員共済組合連合会KKR高松病院・泌尿器科、3:医療法人原三信病院・泌尿器科、4:北海道大学・医学部・泌尿器科、5:東北大学・医学部・泌尿器科、6:東京大学・医学部・泌尿器科、7:東京慈恵会医科大学・医学部・泌尿器科、8:独立行政法人国立病院機構四国がんセンター・泌尿器科

 

背景と目的
 監視療法(Active Surveillance;以下AS)は前立腺癌の過剰治療を回避する有効な解決方法である一方、無治療経過観察がもたらす患者不安に伴うQOL低下が懸念される。欧州を中心に展開されているASの国際前向き観察研究であるProstate Cancer Research International:Active Surveillance(以下PRIAS)studyに、わが国も2010年よりPRIAS-JAPANとして参加している。我々は独自の附随研究としてQOL調査を行っており、4年目までの短期QOLについて結果を報告する。

対象と方法
 患者適格規準は、臨床病期:T1c/T2、PSA:10 ng/ml以下、PSA density (PSAD):0.2 ng/ml/cc未満、陽性コア本数:2本以下(テンプレート生検の場合は陽性コア率15%以下かつ4本まで、MRI所見に基づく狙撃生検の場合は陽性コア数の上限なし)、グリーソンスコア:6以下(70歳以上は3+4=7まで)である。PRIAS-JAPANでは、1年毎にSF-8によるQOL調査を行っている。評価項目はPCS(身体的サマリースコア)・MCS(精神的サマリースコア)とした。国民標準値(50)を基準に登録時および1、2、3、4年目のQOLスコアを比較、検討した。

結果
 2016年11月末時点での登録数は570例(35施設)で、年齢中央値は68歳。SF-8の解析可能な症例数は登録時, 1年後, 2年後, 3年後,4年後でそれぞれ484名, 328名, 140名, 84名,68名。PCSは登録時(51.4)および1年目(50.7)では国民標準値と比較し有意に良好だったが、登録時と比べ4年目(47.8)では有意に悪化した。また、MCSは1年目(50.3)および2年目(51.8)で国民標準値と比較し有意に良好であり、登録時と比べ4年目(51.8)では有意な改善が見られた。QOL良好群とQOL不良群の群間比較ではAS継続率に有意差はみられなかった。

結語
 AS選択患者のQOLは国民標準値より良好であった。4年後のPCSの低下がみられた一方で、MCSでは改善が確認された。登録時のHRQOLはASの継続の予測因子にはならなかった。QOL障害について、今後も長期間の観察が必要である。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:Clinical Trial (臨床試験)

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