演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

胃癌患者における術後筋肉量の減少と臨床病理学的因子の関連

演題番号 : O36-5

[筆頭演者]
田村 達郎:1 
[共同演者]
櫻井 克宣:2、渋谷 雅常:1、山添 定明:1、永原 央:1、木村 健二郎:1、豊川 貴弘:1、天野 良亮:1、久保 尚士:2、田中 浩明:1、六車 一哉:1、八代 正和:1、前田 清:1、平川 弘聖:1、大平 雅一:1

1:大阪市立大学・大学院・腫瘍外科、2:大阪市立総合医療センター・消化器外科

 

【はじめに】胃癌では術後に体重や筋肉量の減少,低栄養をきたすことが多く, このことにより様々な障害をきたしうる.【目的】胃癌患者における術後の筋肉量の減少率と臨床病理学因子の関連を検討した. 【対象と方法】2014年1月から2016年3月の間に, 教室で手術を施行したpStage I-IIIの胃癌患者のうち術前および術後6ヶ月目に体組成分析装置 (InBody3.0)を用いて筋肉量 (soft lean mass)を測定した96例を対象とした. 筋肉量/身長2をsoft lean mass index (SLMI)として算出し, 術後6ヶ月目のSLMIの低下率が5%以上:A群, 5%未満:B群の2群に分けて臨床病理学的因子との関連を検討した. 術後合併症はCD分類Grade II以上と定義した. 【結果】A群:45例 (平均低下率:10.2%), B群:51例 (平均低下率:0.4%)であった. 術式 (開腹/腹腔鏡, 胃全摘/幽門側胃切除)ではA群: (20/25例, 31/14例), B群: (24/27例, 46/5例)でA群では有意に胃全摘症例が多かった (p=0.0081). 術中出血量はA群:208.6ml, B群:114.1ml,手術時間はA群:260.3分,B群:259.9分でいずれも両群に有意差は認めなかった.病理学的因子ではpStage (1/2/3)はA群:24/9/12例, B群:34/10/7例で両群に有意差は認めなかった. 術後合併症ではA群:9例 (20%), B群:8例 (15.7%)で両群に有意差は認めなかった. 術後補助化学療法施行例はA群:19例 (42.2%), B群:11例 (21.5%)で有意にA群に施行例が多かった (p=0.0294). また補助化学療法の完遂率ではA群:12/19例 (63.2%), B群:8/11例 (72.7%), 再発率ではA群:5例 (9.8%), B群:8例 (6.6%)でいずれも有意差は認めなかった. 【考察】今回の検討では, 胃癌患者における術後筋肉量の減少は術式 (胃全摘術), 術後補助化学療法が関連する結果となった. 筋肉量の減少は免疫力を低下させ, さらには予後に影響するという報告もあり, これらの症例ではより長期的な栄養管理や運動療法が必要と考えられた.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:QOL

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