演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

糖尿病と胃癌術後の予後についての検討

演題番号 : O36-4

[筆頭演者]
江藤 弘二郎:1 
[共同演者]
井田 智:1、比企 直樹:1、大橋 拓馬:1、李 基成:1、庄司 佳晃:1、津田 康雄:1、加納 陽介:1、安福 至:1、熊谷 厚志:1、布部 創也:1、大橋 学:1、佐野 武:1、山口 俊晴:1

1:公益財団法人がん研究会有明病院・消化器外科

 

【背景と目的】近年、糖尿病と発癌や癌の進展との関連が注目されている。消化管癌においては、膵癌や大腸癌において糖尿病であるとその発症リスクが上昇することが報告される。また、糖尿病を発症することで慢性高血糖状態からインスリン抵抗性の上昇が上昇し、 Insulin Growth Factor 1 (IGF1)の活性上昇からAktシグナルの活性化につながり、細胞増殖やアポトーシスの抑制から癌の進展につながることも報告される。今回、糖尿病既往と胃癌術後の予後に関して検討した。
【対象と方法】2005年1月から2008年12月の期間でR0切除が行われたp Stage II, IIIの胃癌患者632例を対象とした。糖尿病既往の有無の二群間(糖尿病群:DM群、非糖尿病群:N-DM群)で、患者背景・臨床病理学的因子・全生存期間(OS)・無病再発期間(RFS)を、retrospectiveに比較・検討を行った。
【結果】糖尿病の既往のある症例は、64例(9.0%)であった。年齢中央値はDM群67.0(50-87)歳、N-DM群64.0(26-91)歳(p=0.09)、男女比はDM群47/17、NC群352/216であった(p=0.07)。術式はDM群 DG・PG/TG:31/33、 N-DM群 DG・PG/TG:237/331であり、両群間に有意差は認めなかった (p=0.24)。 DM群では術後合併症の頻度が高い傾向を認めた(p=0.06)。病理学的深達度・リンパ節転移頻度・ステージともに両群間において有意差を認めなかった。また、NACの有無・術後補助療法の有無は両群間において有意差は認めなかった。予後に関して検討したところ、OS(HR:1.56 95%CI:1.03-2.29 p=0.03、観察期間中央値:61.5ヶ月)、RFS(HR:1.49, 95%CI: 1.01-2.13, p=0.03、観察期間中央値:60.5ヶ月)ともにDM群で有意に予後不良であった。また、糖尿病コントロールが不良(来院時HgbA1cが6.5%以上かつ空腹時血糖126mg/dl以上)の症例はさらに予後が不良であった(OS:HR:2.32 95%CI:1.41-3.65 p<0.01)、RFS(HR:2.08, 95%CI:1.29-3.20, p<0.01)。
【結語】糖尿病の既往のある胃癌患者は有意に予後が不良であった。今後さらなる分子学的な究明を行い、予後の改善につなげたい。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:手術療法

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