演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

超高齢者胃癌に対する手術の妥当性に関する検討

演題番号 : O36-3

[筆頭演者]
折田 博之:1 
[共同演者]
一万田 充洋:1、永松 敏子:1、永田 茂行:1、甲斐 成一郎:1、是永 大輔:1

1:中津市民病院・外科

 

【目的】近年高齢化に伴い高齢者の胃癌手術が増加しており、特に80歳以上の超高齢者に対する手術も稀ではなくなった。高齢者胃癌の手術成績を解析して高齢者に対する手術の妥当性を短期成績と術後回復の観点から明らかにする。【対象と方法】2013年10月~2016年12月の当院における75歳以上の胃切除50例の中から幽門側胃切除が施行された36例(平均80.4歳、75-90歳)を対象に75~79歳(A群)、80~84歳(B群)、85歳以上(C群)の3群に分け背景因子、手術成績(出血量、手術時間、リンパ節検索個数、術後在院日数)、手術侵襲に対する反応(好中球リンパ球比(NLR)、アルブミン値)、術後補助化学療法施行の有無を解析した。【結果】A群/B群/C群の男女比は2:1/2:1/1:2、平均BMIは23.6/22.1/21.4で差はなかった。ステージはA群はIA/IB/IIA/IIB/IIIA/IIIB/IIICが7/3/2/0/4/1/1、B群は5/3/1/1/1/1/0、C群は2/1/2/1/0/0/0で腹腔鏡手術はA群11例(61%)、B群7例(58%)、C群5例(83%)であり各群で差はなかった。出血量と手術時間の平均はA群379g、367分、B群249g、322分、C群155g、336分で各群間で有意差はなかったが高齢者ほど出血量が少ない傾向であった。各群のリンパ節検索個数は平均29個、32個、30個で差はなかった。平均術後在院日数はA群18.3日、B群20.0日、C群14.2日でC群がA群とB群と比較して有意に短かった。対象症例で主述関連死亡は認められなかった。各群の術後NLR(1/3/7POD)の平均はA群9.1/8.4/5.2、B群6.5/6.5/4.2、C群8.8/9.3/4.6、アルブミン値(3/7/30POD)はA群2.7/2.7/3.5、B群2.6/2.8/3.2、C群2.4/2.5/3.5とともに各群間で差はなかった。術後補助化学療法はステージII、IIIでA群で8例中4例、B群で4例中1例で行われ、C群3例では施行例はなかった。【まとめ】75歳以上の高齢者の胃癌手術を解析した結果、各年齢層において背景因子や腹腔鏡手術の頻度、リンパ節検索個数、手術時間に差はなくほぼ同等の手術が行なわれており、短期成績では85歳以上であっても84歳未満と比較して遜色はなかった。一方、術後補助化学療法の施行率は低かった。【結語】遜色はなく耐術可能と判断されれば安全に手術可能と考えられたが、術後補助化学療法は敬遠される傾向にあり進行癌での長期成績について今後検討が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:手術療法

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