演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

高齢者の胃癌切除後における炎症に基づく予後予測スコアの有用性

演題番号 : O36-2

[筆頭演者]
鈴木 知志:1 
[共同演者]
金治 新悟:1、山本 将士:1、松田 佳子:1、長谷川 寛:1、山下 公大:1、押切 太郎:1、松田 武:1、角 泰雄:1、中村 哲:1、掛地 吉弘:1

1:神戸大学・大学院・食道胃腸外科

 

【背景】近年、術前の末梢血から算出される炎症に基づくスコアが様々な癌腫で予後を反映するとが報告されている。一方、高齢者に対する胃癌手術は増加しているが、予後を予測する因子は必ずしも明らかではない。【目的】高齢者の胃癌手術における術前の炎症に基づく予後予測スコアの有用性を明らかにする。【対象と方法】2000年から2015年までに治癒切除を施行した75歳以上の高齢者の初発胃癌症例236例(男性158例、女性78例、年齢中央値:78歳)を対象に、術前の末梢血の好中球リンパ球比(Neutrophil-to-lymphocyte ratio: NLR)、リンパ球単球比(Lymphocyte-to-monocyte ratio: LMR)、血小板リンパ球比(Pletlet-to-lymphocyte ratio: PLR)と予後(全生存割合、疾患特異的生存割合)との相関を解析した。NLR、LMR、PLRのcutoff値はROC曲線を用いて求めた。【結果】①全生存割合:単変量解析では、ASA score ≧3、Charlsons comorbidity index (CCI) ≧3、NLR≧2.24、LMR≦3.65、PLR ≧154.8、Alb値 <3.9g/dl、漿膜浸潤陽性、リンパ節転移陽性、胃全摘術、感染性合併症併発、呼吸器合併症併発が有意に不良であった。多変量解析で、PLR 高値(P=0.03)はASA score高値(P<0.001)、リンパ節転移(P<0.001)、呼吸器合併症(P=0.003)とともに独立した予後不良因子であった。②疾患特異的生存割合:単変量解析では、PLR≧154.8、漿膜浸潤陽性、リンパ節転移陽性、胃全摘術、感染性合併症併発が不良であった。多変量解析では、PLR高値(P=0.025)は漿膜浸潤(P<0.001)、リンパ節転移(P<0.001)とともに独立した予後規定因子であった。【結語】術前の末梢血の血小板リンパ球比は75歳以上の高齢者の胃癌治癒切除後の予後予測因子になりうることが示唆された。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:手術療法

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