演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

医療従事者が癌を体験して実感した危機モデルにおける一考察

演題番号 : O33-6

[筆頭演者]
佐藤 律子:1 

1:九州厚生局宮崎事務所

 

人は、命に直結するような状況や身体機能障害などの出来事に遭遇すると不安が強くなりいつもの習慣的な方法で問題を処理することが困難になることがある。そのような危機的状況になった場合は、初めは自己防衛的、感情的になり、その後徐々に問題解決型の対応になっていくと言われている。看護においては危機的状況に置かれた患者に対応するとき、1.衝撃2.防御的退行3.承認4.適応の4段階を示したフィンクの危機モデルを活用することが多い。その構造に沿い一般的な時間経過による心理状態を予測しアセスメントすることで患者の経過や状態に合わせたケアができる。
【目的】S状結腸癌、ステージⅣの診断を受けた医療従事者の危機的状況における対処と危機モデル適用を検証する。
【経過、結果】患者紹介:60代、女性、看護師、看護部門のトップマネージャー。
2015年12月に大腸の内視鏡検査においてS状結腸の内腔が狭窄するほど進行している癌であるとの診断を受けた。内視鏡中の画像を視認し、やはり癌だとわかったときに、今はそう強いショックではないが自分も危機モデルの過程で経過していくのかと客観視しているところがあった。検査から4日後に手術予定ということもあり、自由に動ける3日間でしておかなければいけないことやこの後衝撃の段階が来て思考が混乱し計画的に動けないかもしれないから問題なく行動できるように行動予定を書いておこうと考えていた。しかし、その後混乱することなく判断や行動ができ手術前までの3日間で予定していた行動はすべてすませ、適応の段階で手術を受けることができ危機モデルの経過をたどらなかった。
【考察】医療従事者が危機的状況を体験した後、危機モデルの示す経過をたどらなかった要因として3つ考えられた。
1.今後の具体的行動計画を記録したことで治療を受けるには何をしておけばいいかということが可視化され明確になったことで行動が客観視でき安心できた。
2. 急性期病院看護部門のトップマネージャーであり、処理しておかなければ組織への影響が大きいため処理を誤ってはいけないという思いと職場における立場上の責任を果たすという役割認識が働きメタ認知できた。
3.手術までの時間が短く、余計なことを考えたり行動したりする時間がなかった。

キーワード

臓器別:その他

手法別:がん看護

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