演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

前治療における腫瘍増殖速度がレゴラフェニブとTAS-102の抗腫瘍効果に与える影響

演題番号 : O31-6

[筆頭演者]
舛石 俊樹:1 
[共同演者]
谷口 浩也:1、川上 武志:2、川本 泰之:3、門脇 重憲:1、小野澤 祐輔:4、村中 徹人:3、田近 正洋:5、安井 博史:2、中積 宏之:3、結城 敏志:6、室 圭:1、大前 勝弘:7、小松 嘉人:3、山﨑 健太郎:2

1:愛知県がんセンター中央病院・薬物療法部、2:静岡県立静岡がんセンター・消化器内科、3:北海道大学・病院・腫瘍センター、4:静岡県立静岡がんセンター・原発不明科、5:愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部、6:北海道大学・病院・消化器内科、7:静岡県立静岡がんセンター・臨床研究支援センター

 

背景:切除不能大腸癌の後方ライン治療として、レゴラフェニブ (REGO) 及びトリフルリジン・チピラシル塩酸塩 (TAS) はいずれも標準治療と認識されている。一方、治療前の腫瘍増殖速度 (Tumor Growth Rate: TGR) が肺癌や喉頭癌における放射線治療の効果と相関することが報告されている。しかし、前治療のTGRがREGOやTASの抗腫瘍効果に与える影響やTGRの違いによる両薬剤の使い分けについては未だ報告がない。
方法:対象は3施設において2013年5月から2016年12月までにREGOもしくはTASが投与された切除不能大腸癌で、フッ化ピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカン、ベバシズマブ、抗EGFR抗体薬 (KRAS野生型のみ) に不応もしくは不耐、かつREGOおよびTASの治療歴がないPS 0-2の連続症例とした。CT1 を前治療増悪判定のCT撮影日、CT0 をCT1 より1回前のCT撮影日、DnをCTn における腫瘍径総和 (RECIST version 1.1) とし、TGR (%/日) = (D1 - D0)/100D0 (CT1 - CT0)として算出した。直前の化学療法実施中のTGRと新規臓器転移出現の有無 (New lesion; NL+/-) により、slow-growing group (SG) とrapid-growing group (RG) に分類し、SGはNL- かつlow TGR (<0.33)、 RGはNL+もしくはhigh TGR (≥0.33) とした。
結果:244例 (RG/SG:133/111例、REGO/TAS:132/112例) が抽出された。患者背景は、RGでは1次治療開始からの期間が18か月以上の症例がREGO群で、SGではALP高値例がREGO群、PS2症例がTAS群でやや多かった。腫瘍制御割合 (REGO群/TAS群) は、RGで29%/23% (p=0.56)、SGで25%/47% (p=0.03)と、SGでのみTAS群の腫瘍制御割合が良好な傾向であった。多変量解析でも、薬剤選択がSGにおける腫瘍制御の独立した予測因子として抽出された (TAS/REGOのオッズ比3.51、95%信頼区間 1.33-9.27、p=0.01)。一方、RGでは薬剤選択は予測因子とはならなかった。また、TGRのカットオフ値を0.33, 0.35, 0.4, 0.45, 0.5, 0.55. 0.6と変動させて追加検討を行ったが、いずれのカットオフ値でもSGではTASの腫瘍制御割合が良好な傾向であった。
結語:直前の化学療法に不応となった際の腫瘍増殖速度が遅い症例では、レゴラフェニブよりTAS-102で腫瘍制御割合が良好であった。一方、腫瘍増殖速度が早い症例では両薬剤の腫瘍制御割合に差を認めなかった。前治療における腫瘍増殖速度はレゴラフェニブとTAS-102の使い分けに有用である可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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