演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

腎尿管全摘除術後のpT3腎盂癌に対する術後補助療法の適用に関する検討

演題番号 : O3-5

[筆頭演者]
朝隈 純一:1 
[共同演者]
磯野 誠:1、新地 祐介:1、升永 綾子:1、川口 真:1、田崎 新資:1、黒田 健司:1、佐藤 全伯:1、堀口 明男:1、伊藤 敬一:1、浅野 友彦:1

1:防衛医科大学校・泌尿器科

 

【目的】pT3以上の腎盂尿管癌は予後不良で、根治術後に補助化学療法を考慮することになる。しかし、pT3の腎盂癌は、尿管癌に比較して予後が良い印象があり必ずしも術後補助療法が必要でない可能性がある。本検討では腎盂尿管癌pT3症例の予後と術後補助化学療法の適用状況およびその成績を検討した。【対象と方法】当院で腎尿管全摘術を施行した症例でpT3N0 or NxM0の診断を得たもののうち、尿路上皮癌以外の組織型が優勢であるもの、浸潤性膀胱癌もしくは膀胱CISが併存もしくは既往があるもの、術前補助療法を施行したものを除外した71例(腎盂癌46例、尿管癌25例)を対象とし、臨床病理組織学的因子、予後および術後補助療法の成績について検討した。生存率はKaplan-Meier法による疾患特異的生存率を用い、log rank testで有意差を判定した。予後因子の解析にはCox比例ハザードモデルを用いた。【結果】男性49例、女性22例。年齢中央値70(46-86)歳。観察期間中央値31(3-197)か月。pT3の腎盂尿管癌(n=71)の5年疾患特異的生存率(5y-CSS)は63.5%であった。pT3腎盂尿管癌のCSSに関する多変量解析では尿管癌(vs 腎盂癌、HR=2.49, 95%CI 1.06-6.15, p=0.0372), N+( HR=2.92, 95%CI 1.11-7.43, p=0.0303)が、有意な予後不良因子となった。71例中32例に術後補助療法を施行された。尿管癌(vs 腎盂癌)、N+、LVI+に対して適用される傾向を認めた(χ2検定: p=0.0040, 0.0433, 0.0027)。術後補助療法施行群(n=32) および未施行群(n=39)の5y-CSSはそれぞれ56.2%と71.5%であり、clinical benefitは認めなかった(log rank: p=0.3445)。腎盂癌(n=46)に関しては、術後補助療法は15例に施行され、LVI+に対して適用される傾向を認めた(χ2検定: p=0.0255)。術後補助療法施行群(n=15) および未施行群(n=31)の5y-CSSはそれぞれ79.4%と75.2%であり(log rank: p=0.6668)、有意差は無いが、術後補助療法をした方が生存率は良かった。【結論】pT3の腎盂癌と尿管癌では予後の差があると考えられた。pT3の腎盂癌に対する術後補助療法の適用に関しては、シスプラチンを中心とした腎障害性の治療であることからLVI+やN+などハイリスク症例に適用を絞ったほうが良いと考えられる。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:化学療法

前へ戻る