演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

ロボット支援下および開放性膀胱全摘除術における周術期治療成績と術後QOLの比較検討

演題番号 : O3-4

[筆頭演者]
岩本 秀人:1 
[共同演者]
弓岡 徹也:1、山口 徳也:1、眞砂 俊彦:1、森實 修一:1、本田 正史:1、武中 篤:1

1:鳥取大学・医学部・器官制御外科学講座 腎泌尿器学分野

 

【目的】当院で施行したロボット支援膀胱全摘除術(RARC)と開放性膀胱全摘除術(ORC)における周術期治療成績と術後QOLについて比較検討を行った。
【対象と方法】2010年9月から2017年3月までに、筋層浸潤性膀胱癌と診断され、当院で根治的膀胱全摘除術を施行した80例を対象とした。そのうち、30例がRARC群で50例がORC群であった。RARCにおける尿路変向術は全例小切開開腹下に施行した。これら2群における手術成績、周術期合併症、病理組織所見、さらにSF-8を用いた術後のQOLについて比較検討を行った。2群間の比較にはカイ2乗検定、Mann-Whitney U検定を使用し、P<0.05を有意とした。
【結果】患者背景では、年齢、性別、BMI(Body mass index)、腹部手術既往の有無、Age-ajusted Charlson Comorbidity Score、術前Hg値、尿路変向の分布に有意差はなかった。手術成績では、総手術時間に有意差はなかったが、術中出血量(P<0.001)、周術期輸血率(P<0.001)、CRP上昇度(P=0.006)はいずれもRARC群で有意に良好な結果であった。周術期合併症では、Clavien分類grade2以上の合併症はRARC群で有意に少なかったが(P<0.001)、grade3以上では2群間に有意差はなかった。また、イレウスの発症率にも有意差はなかった。病理組織所見では、RM陽性率に有意差はなかったが、リンパ節摘出個数はRARC群で有意に多かった(P=0.002)。術後QOLについては、2群間における術前の身体的および精神的サマリースコアに有意差はなく、術後3ヶ月時の身体的および精神的サマリースコアの改善率は、RARC群で48%、55%、ORC群で36%、34%とRARCで早期の改善傾向を認めたが、有意差はなかった。また、8つの下位尺度について術後3、6、9、12ヶ月時に2群間の比較を行ったが、いずれも有意差は認めなかった。
【結論】RARCはORCと比較して、周術期治療成績としてはより低侵襲かつ同等の癌制御が示唆された。また、術後QOLとしては同等であったが、RARCでは早期の改善傾向が示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:手術療法

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