演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

開腹所見で切除不能であった膵癌と術前診断との不整合性に関する検討

演題番号 : O26-5

[筆頭演者]
松井 聡:1 
[共同演者]
今井 寿:1、森 龍太郎:1、棚橋 利行:1、森光 華澄:1、田中 善宏:1、松橋 延壽:1、高橋 孝夫:1、山口 和也:1、二村 学:1、吉田 和弘:1

1:岐阜大学・大学院医学系研究科・腫瘍外科

 

目的:膵癌において術前に切除不能であることが画像上必ずしも明らにならないため、試験開腹術が避 けられないことがある。非切除症例を検討し、術前診断との整合性、不整合性について検討した。方法:当科で2004年から2017年4月に施行した膵癌症例で前治療なく初回手術を行い根治切除ができなかった15例について術前診断と切除不能事由との関係について検討した。結果:男女比;7:8、年齢中央値75歳(39- 85)、BMI中央値21(14.4-26.4)で、Ph 10例、Pb 3例、Pt 2例であった。取り扱い規約(第7版)に準じた術前診断 としては、腫瘍径は中央値24mm(13-50)で、TS1 1例、TS2 0例、TS3 4例であった。また局所進展所見につい てはCH1 7例(46%: Ph症例で10例中7例70%)、DU1 6例(40%:Ph症例で10例中6例60%)、S1 11例(73.3%)、 RP1 12例(80%)、PV1 8例(53%)、A1 8例 (53%)、PL1 6例(40%)、OO1 3例(20%)であった。リンパ節転移(N)は 8例(53%)で画像上陽性であった。無論遠隔転移(M)は認めず。腹水は画像上術前3例認めていた。以上の規 約上の所見のうち画像上RP陽性のみ非切除事由に関連する有意所見であった(p=0.016)。術前の腫瘍 マーカーはCEA(ng/ml)が中央値7.2(1.2-13.1)、これに比してCA19-9(U/ml)は中央値292.9(0.1-8047.6)と高く、CA19-9 50U/ml以上である症例が13例と有意に多数であった(p=0.0027)。非切除となった因子は肝転移2例(13%)、腹膜播種8例(53.3%)、高度脈管浸潤(SMA,CHA,PVなどへの高度浸潤)8例(53.3%)であった(重複あり)。高度脈管浸潤症 例において存在する可能性を術前にPV1,A1と予想し得た症例は8例中5例(53.3%)、8例中4例(50%)であっ た。術前後方視的に肝転移および腹膜播種を術前にCTなどで同定することはいづれもできなかった。腹膜播種と術前の上記因子との関連について検討したが、S1、RP1といった因子は特に腹膜播種との関連 を認めなかった。その他の因子についても同様であった。結語:切除可能症例との比較検討が必要ながら、術前に、RP陽性である場合、 CA19-9が高値である場合、切除不能である可能性ある。また、腹膜播種に関しては術前の画像所見から把握し難い。高度脈管浸潤症例の半数は術前に脈管浸潤を診断し得た。これらの症例に対する初回治療としての外科治療の選択には慎重な判断を要する。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

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