演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

2012年版IPMN国際診療ガイドラインに基づく術前画像評価に関する検討

演題番号 : O26-4

[筆頭演者]
小泉 亘:1 
[共同演者]
北郷 実:1、大島 剛:1、日比 泰造:1、八木 洋:1、阿部 雄太:1、篠田 昌宏:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学・医学部・外科学教室

 

目的:
2012年版IPMN国際診療ガイドラインにおける,high-risk stigmata(HRS), worrisome features(WSF)の術前診断における有用性について検討する.
方法:
2012年1月1日から2016年9月1日までに当科でIPMNと診断された163例を,HRS, WSFに沿って分類し,手術症例では病理診断を,経過観察となった症例は,その後の転機を検討した.
結果:
163例は,男性87人,女性76人,平均年齢は72.5(40-95)歳.57例 (35.0%)に手術を施行し,PD27例,DP23例,TP4例,PD+DP1例,残膵全摘2例であった.病理診断は浸潤癌30例,非浸潤癌15例,上皮内癌1例,良性腫瘍(腺腫,SCN)10例,1例は主膵管拡張のみであった.
HRS3項目該当はなし.2項目該当は8例で,手術施行6例中5例が浸潤癌,1例が腺腫であった.経過観察3例中1例がIPMC多発肺転移で化学療法を行い,1例が甲状腺癌多発転移で死亡した(1例は通院中断).1項目該当は30例,手術施行の23例中8例が浸潤癌,8例が非浸潤癌,7例が良性腫瘍であった.経過観察7例中5例が腫瘤増大し,うち1例は化学療法,4例は患者希望で経過観察を続けている.2例は他院での手術希望で通院中断した.
WSF1項目以上該当62例中23例(37.1%)に手術を行った.15例が浸潤癌,4例が非浸潤癌,1例が上皮内癌,2例が良性腫瘍,1例が主膵管拡張のみであった.一方,39例(62.9%)は経過観察を選択し,うち22例(56.4%)が病変不変である.15例(38.5%)は腫瘤増大傾向である.2例は他病死,通院中断した.
HRS, WSF項目ごとの検討では,「閉塞性黄疸を伴う膵頭部嚢胞性腫瘍(100%)」,「10mm以上の主膵管拡張(80.0%)」,「嚢胞壁の肥厚・造影効果(92.0%)」の三項目で特異度が高かったが,他の項目は60.0%以下の特異度であった.
結語:
今回の検討からHRSの該当例は手術適応である.WSFの該当例では一定の悪性リスクがあり手術が奨められるものの,項目毎の特性を理解し, EUS,ERCP(IDUS,POPS)などを含む総合的な精査を行った上で,患者の全身状態(年齢,並存疾患など)も考慮した慎重な経過観察を行うことも選択肢のひとつといえる.

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:診断

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