演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

胸壁合併切除を要したがん患者の術後合併症の検討

演題番号 : O20-5

[筆頭演者]
林 卓馬:1 
[共同演者]
筑紫 聡:1、吉田 雅博:1、小澤 英史:1、坂倉 範昭:2、石村 大輔:3、兵藤 伊久夫:4、坂尾 幸則:2

1:愛知県がんセンター中央病院・整形外科、2:愛知県がんセンター中央病院・呼吸器外科、3:藤田保健衛生大学・整形外科、4:愛知県がんセンター中央病院・形成外科

 

緒言:胸壁浸潤した原発性肺癌や胸壁発生の悪性骨軟部腫瘍の外科的治療時に、胸郭の再建を必要とする場合がある。胸郭の再建には、メッシュや金属プレートなどの人工材料や自家骨が用いられ、皮膚欠損が大きい場合は筋皮弁を必要とする。術後合併症としては呼吸器合併症や皮膚壊死、感染などが問題とされているが、それらを比較検討した報告は少ない。今回の目的は悪性腫瘍の外科的治療時に胸壁合併切除を必要とした症例の術後合併症を検討することである。

対象と方法:2002~2016年の間に当院と関連施設において肋骨合併切除を伴う腫瘍手術を施行した69例を対象とした。男性59例、女性10例で手術時平均年齢は62(13~79)歳であった。平均経過観察期間は36.2(4~146)か月であった。原発性肺癌は47例で骨軟部腫瘍は19例、転移性腫瘍は3例であった。これらを対象として合併症に関連する臨床因子について検討した。

結果:全例で肋骨切除を要し、切除本数は1本:14例、2本:21例、3本:24例、4本:5例であった。5例に胸骨切除を行った。肺切除は62例で行った。胸郭の再建を47例(68.1%)に行い、そのうち25例は縫合糸を胸壁に格子状にかけて再建し、22例はメッシュを用いて再建した。11例(16.0%)に筋皮弁による再建を要し、皮膚欠損部の最大径は27cmであった。筋皮弁再建を要したのは全て骨軟部腫瘍の症例であった。術後合併症は31例(44.9%)に発生し、無気肺が8例、エアリーク8例、上腕神経痛が5例、気胸が4例、皮膚壊死が3例、表層感染3例、不整脈2例、皮下気腫2例、術後肺炎2例、その他4例であった。1例は術後肺炎で死亡した。原発性肺癌では57.4%で、骨軟部腫瘍では21.1%であった(p=0.016)。再建法や肋骨の切除本数、肺合併切除の有無と合併症の発生率に有意な差は認めなかった。24例(34.8%)に術後再発を認め、最終観察時の転帰はCDF 36例、AWD 9例、DOD 23例、DOOD 1例であった。

考察:今回の結果では肺癌症例は合併症の頻度が約60%と高かったが、肺切除の大きさや肋骨の切除本数、再建法では有意な差がなかった。今後症例を集めて合併症に関与する因子を更に検討する必要がある。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:手術療法

前へ戻る