演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

希少がんの治療開発における新たな試み ~希少がんに対する医師主導治験を中心に~

演題番号 : O20-2

[筆頭演者]
西川 忠曉:1,2 
[共同演者]
米盛 勧:1、長坂 律子:3、川井 章:4、加藤 友康:5、藤原 康弘:1

1:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院・乳腺・腫瘍内科、2:埼玉医科大学国際医療センター・婦人科腫瘍科、3:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院・臨床研究支援部門研究企画推進部企画管理室、4:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院・骨軟部腫瘍・リハビリテーション科、5:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院・婦人腫瘍科

 

【目的】
悪性軟部腫瘍に代表される各希少がんの頻度はがん全体の1%以下に過ぎないが, 全希少がんが占める頻度の合計は約15-20%とされ, 必ずしも希少ではない. 現在, 我々の研究班では統計学的デザインにベイズ法を用いた希少がんに対する複数の医師主導治験を実施・計画している. これらの研究の目的は, 将来的に医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協力の上で, 製薬企業から希少がんに対する薬剤の新規承認申請が行われること, ならびにベイズ法を用いた薬剤開発プラットフォームを開発することである. また同時に, 日本における希少がんの治療開発に関する基盤整備を実施することで, その魅力を世界へ発信することも目的としている.
【方法】
我々は日本医療研究開発機構(AMED)の資金により, 希少がんに対する治療開発とその基盤整備, ならびにトランスレーショナルリサーチの実施に関する研究チームを立ち上げた. 具体的な研究内容としては, 希少がん患者のレジストリーデータベースの構築とその利用, 臨床試験グループの設置, 希少がん患者検体由来のxenograftマウスモデルを用いたトランスレーショナルリサーチの標準化などが挙げられる.
【結果】
2016年11月より, 明細胞肉腫および胞巣状軟部肉腫を対象にニボルマブを用いた医師主導治験(OSCAR trial)を開始した(UMIN000023665). また2017年中には子宮癌肉腫を対象に新規の薬剤を用いる医師主導治験(STATICE trial)も開始する予定としており, 悪性軟部腫瘍を中心とした希少がんの治療開発に注力している.
【考察および結論】
明細胞肉腫や胞巣状軟部肉腫などの悪性軟部腫瘍や、特殊な組織型とされる子宮癌肉腫などに代表される希少がんは, その希少性と市場規模の問題により, 製薬企業主導による新規薬剤開発は期待し難い状況にある. こうした状況のなか, 2012年の第二期 "がん対策推進基本計画" において, 希少がんはがん医療の個別目標の一つとして設定された. こうした国策も受け, 我々は医師主導治験を軸としながら, PMDA, AMED, academiaといった産官学が協力できる体制整備とともに希少がんに対する治療開発基盤の整備を進め, 希少がん患者の抱えるアンメットメディカルニーズに対応していかなければならない.

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:Clinical Trial (臨床試験)

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